ドナウの東か、遥かもっと東から

2016年7月末よりハンガリーのブダペストで生活し、2019年8月末より東京へ。毎日が新しい発見の連続です。

カテゴリ: セルビア

やること山積みの毎日だけど、さすがにちょっと気分を変えたくて、日曜日のランチはベランダでバーベキューにした。
去年12月にセルビアのスボティツァ(Subotica)で買ってきた、アイヴァル(Ajvar)も大活躍。

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アイヴァル(Ajvar)は赤パプリカやナスを中心とした野菜ペーストで、こうして焼いたお肉に添えたり、パンや野菜に付けたり、もちろんそのままでも、もうどう組み合わせてもとにかく美味しい。ギュッと濃縮された野菜の旨味に、口に含んだ瞬間から全身に優しく活力が巡ってくる感じ、と言っても絶対に過言ではない。

食べながら、これを買ったスーパーの近くにあるシナゴーグのことを思い出したりした。



また行けると思っていたのだけど、しばらくは難しいかな。あの時訪れておいて本当によかったな。


このメーカーのアイヴァルは保存料が入っていないので、一旦開封したら冷蔵庫に保存していてもそのうちカビが生えてきてしまう。混じり気のない自然な美味しさを味わえるうちに、早く食べきっておかないとね。

セルビア北部の街スボティツァ(Subotica)。ずっと再訪したかったシナゴーグを見学し、その感動の余韻に浸りながら駅への道を急いだ。
 

ところで、このあたりでは私の大好きな壁画にもちらほらと出会えた。

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↑スボティツァのハンガリー語名「サバドカ(Szabadka)」が記載されているのに気付いた。


近くのスーパーでお土産を購入し、最後にセルビア正教会に寄ってみた。

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結局出発時刻に間に合ったので、バスではなく列車でブダペストに戻ることにした。

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列車に乗ったらさっそくパスポートコントロールがあった。

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列車は定刻に出発。程なくフェンスを越えて、ハンガリー国内に入った瞬間にスピードが速くなった。ハンガリー側でのパスポートコントロールを終えると、なんだか急にホッとした。
ちなみに正直こんなに小さな列車がブダペストまで行くのが全然想像できなかったのだけど、ケレビア(Kelebia)という駅で別の列車に乗り換えるという仕組みになっているということを、この時初めて知った。

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そして、乗り換えた列車もそんなに大きくなかった。新しかったけど。


あとはブダペストを目指して列車に揺られるだけなので、自分用のお土産に買ったアップルシードルでひと息。

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このパッケージ、なんとなく見覚えがあるなぁと思っていたら、前にスロヴェニアでも似たようなの買っていた。


それにしても、列車の中で全然やることがなくて、時間を持て余していたところ、行きに新聞を買っていたことを思い出した。ハンガリー語の練習にもなったし、これでだいぶ時間も潰せた。はずなのに。


このあと元々停車予定がないデールエジハーザ(Délegyháza)という駅で、列車が足止めを食ってしまった。乗務員によると、復旧の目処も立たないという。ブダペスト行きのバスがあるのことなので、そちらに乗り換えることにした。

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本当に何もない駅だったので、あたりは真っ暗だった。


ともあれ、無事にネープリゲド(Népliget)の長距離バスターミナルに到着。

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帰りはブダペスト東駅からを予定していたのに、振り出しに戻ってしまった。


あっという間だったけど(すぐに暗くなるし天気もイマイチだったけど)、1泊2日のセルビア北部ヴォイヴォディナ旅行、最後までしっかり楽しむことができた。いつかそう遠くないうちに、空が青い季節にまたぜひ訪れたい。

いよいよ今回のセルビア北部旅行の最終目的地、スボティツァ(Subotica)シナゴーグに到着。約2年前に初めて訪れた際はまだリニューアル工事中だったのだけど、それも2018年に完了したと聞いて、なんとしても再訪したかったのだ。

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フェンスの外から写真を撮ったところ、フェンスの一部がハート形になっているのに気づいた。それにしても、さすが中央ヨーロッパ第2の規模を誇るという堂々たる存在感だった(※ちなみに第1の規模を誇るのはブダペストのドハーニ通りのシナゴーグ)。


ぐるっとまわって、こちらが入口。

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中に入って、若い男性のスタッフに入館料の250ディナールを支払った。試しにハンガリー語で話しかけてみたら、(当然といえば当然だけど)ビックリされて、彼自身ハンガリー人だと教えてくれた。そして、このシナゴーグについて親切にいろいろと説明してくれた。ところで、この街も約100年前まではハンガリー領に属していて、ハンガリー語での名前を「サバドカ(Szabadka)」という。なのでハンガリー語での会話では「スボティツァ」ではなく「サバドカ」の方を使うわけで、この頃にはそういうのにも慣れてきた。


内部に入った瞬間、その美しさに息をのんだ。

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1902年頃ハンガリー人建築家によって建設されたこの建物は、シナゴーグの中でもとても珍しいハンガリー・セセッション様式で、とてもかわいらしい内装だった。

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合計で1600名ものキャパシティがあるという。ステンドグラスをはじめ、随所にクジャクがモチーフとなった装飾もとても印象的だった。

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階段を上がって桟敷席からも見学できた。

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ドームの内側にはヘブライ語ハンガリー語の2言語で文章が記載されていた。

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もう、とにかく目に見えるものすべてが美しすぎて、いつまでもここで過ごしていたいくらいだった。


今でこそこんなに素晴らしい姿で出迎えてくれたわけなのだが、かつての第二次世界大戦で教徒が激減。1980年代には劇場として使われていた時期もあったという。しかしながらシナゴーグとしては、1990年代には世界でも有数の廃墟化が深刻なシナゴーグとなるほどにさびれてしまっていたのだという。それが、2014年にハンガリー政府の援助もあってリニューアル工事が開始され、少し前まで廃墟化していたとはとても思えないほどに美しくよみがえったのだった。


名残惜しさを胸に、ブダペスト行きの列車に乗るべく鉄道駅へと急いだ。あ、その前にお土産も買わないと。 

セルビア北部、ヴォイヴォディナ自治州のノヴィ・サド(Novi Sad)をあとにして、約2年ぶりのスボティツァ(Subotica)に到着。残念ながら、濃霧のせいですっかり白い景色なのだけど、そんな中でも建物はとても美しかった。
市庁舎(Gradska Kuća)もとても幻想的な雰囲気。

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スロボダ広場(Trg Slobode)国立劇場も、相変わらず圧巻だった。

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ちょうどクリスマスマーケットが開催されていて、日曜日で閑散とした街も、このあたりだけは賑わっていた。

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白い2つの尖塔が印象的なフランシスコ会教会(Franjevačka crkva)の近くを通りつつ、

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また先ほどの市庁舎の建物を裏側から見ながら、道を急いだ。冬季なので噴水はお休みの様子。

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ハンガリー製品専門店も変わらずにそこにあった。

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そして、あのおじさんも。

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とりあえず手を差し伸べておいた。

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ほどなくして、最終目的地のシナゴーグに到着。もったいぶってしまって申し訳ないけど、その話は次回にゆっくりと。

セルビア北部、ヴォイヴォディナ自治州の州都ノヴィ・サド(Novi Sad)を初訪問した翌朝。世界は白、というか灰色の霧に包まれていた。

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少し先さえまったく見えないほどの濃霧で、せっかくこれからスボティツァ(Subotica)の美しい街並みを観に行くのに、先が思いやられた。


8時25分発・・・の予定が10分遅れでバスは出発。

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このバスはベオグラード(Beograd)から来ていて、ここまでの道のりも濃霧で大変だったことだろうと思われた。遅れて到着しても無理はない。


ただし、北に行けば行くほど霧は少しずつ薄くなってきて、ほぼ定刻通りにスボティツァに到着した。

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ここからブダペストまでの交通機関は14時2分発の列車を予定していたのだけど、念のためバスの時刻表を調べてみたら、14時45分発の便があった。

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もし、スボティツァからブダペストやウィーン、アムステルダムまで行く予定がある方がいらっしゃったら、こちらをご参考に(なかなかいらっしゃらないと思うけど)。
ともあれ、もし列車の時刻に間に合わなかった場合はバスで帰ることにして、街の中心地を目指した。
途中、完全ハンガリー語の看板を見つけたりした。

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10分ほど歩いて鉄道駅に到着。まずは場所だけ確認。

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そして約2年ぶりに、その近くのライフル宮殿とハンガリー総領事館の建物を見ることができた。

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外壁の装飾は相変わらず美しかった。


空が白いので、以前訪れた時と比べてどことなく違う雰囲気を感じたりもしたけれど、ひとつひとつの建物の記憶が少しずつ蘇ってきた。

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今回の旅のクライマックスでもあるシナゴーグ観光まであとひと息。

<後編>に続く!

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