ドナウの東か、遥かもっと東から

2016年7月末よりハンガリーのブダペストで生活し、2019年8月末より東京へ。毎日が新しい発見の連続です。

カテゴリ: クロアチア

2020年に遭遇した数々の山も越えたことだし、来年はますます気を引き締めていかないといけないし、クリスマスだし、いつもよりちょっとだけ特別なランチを体験したかった。
思えば最後にハンガリー、もとい海外旅行をしてから約1年。本当は今年だって2回くらいはハンガリーに行く予定はあったのに、Covid-19のせいで叶わなかったのだ。無念。
なので、せっかくだから「ハンガリー料理」だとか、「ルーマニア料理」「ブルガリア料理」など、中・東欧の料理を提供するレストランを検索した。そして、いくつかあった候補の中から、ランチタイムに営業していて、かつ自宅からのアクセスも良い店が1軒のヒット。それが、京橋のクロアチア料理店「Dobro(ドブロ)」だった。

ネットで検索するまで、東京にクロアチア料理店があるなんて全然知らなかった。むしろ、なぜ今まで知らなかったんだろう、私。そんなことを考えながら、地図をたよりにお店に向かう途中目に入ったのが、「土風炉」の文字。

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え? 漢字??・・・なわけがなく、お店はちゃんとその向こうにあった。

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クロアチアの国旗が堂々と掲げられていて、ここだけまるでザグレブの街角のようだった。


店内に入ると、赤と白のチェック柄がアクセントになっているその雰囲気にさらに胸が高なった。スプリトで飲んだあのビールのロゴも発見。

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予約していた2階席へ。少し早めの時間に予約していたので、どうやら一番乗りのようだった。

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コースランチメニューより、まよわずシュトゥルクリセットを注文。さらに半額ということもあって、食前酒にクロアチアのビール「ファボリト(FAVORIT)」で喉の渇きを潤した。

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店員さんが説明してくれた通り、すっきりと飲みやすく、まるで清涼飲料水のようにゴクゴクと飲めてしまった。もう1本注文したくなったけれども、あとで赤ワインも飲みたいので断念することに。

前菜舞茸のテリーヌなどのプレート。

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テリーヌはしっかりとしていながらもしつこくない口当たりで、添えられているザウアークラウトの酸味がちょうどよいアクセントになっていた。

そして、ずっと気になっていた「シュトゥルクリ」

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店員さんの説明によると、自家製の平パスタにフレッシュチーズを入れ、パプリカクリームソースで仕上げたクロアチアのラザニア風料理とのことだった。どことなく見た目がハンガリー料理の「ホルトバージ・パラチンタ(Hortobágyi palacinta)」を彷彿させたが、クレープではなくパスタなので、違った味を楽しめそうだ。ナイフをすっと通すと、美しい断面が現れた。

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もちもちの食感のパスタとフレッシュチーズの組み合わせに、まろやかなパプリカクリームソース。クロアチアを訪れた際に出会えなかったはずなのだが、どこか懐かしい味わいだった。

そして、メインにはクロアチア伝統のロールキャベツ料理「サルマ」をチョイス。

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「サルマ」というのでルーマニア料理の「サルマーレ」を想像したのだけれども、提供されたのはちょっと違っていた。ひき肉やお米などの具をキャベツの葉で包んでいる、という点では共通しているのだが、こちらは酸味の効いたコンソメスープといったような味付けで、マッシュポテトが添えられていた。このマッシュポテトをスープの中でつぶしてリゾットのように食べるのが流儀とのことで、一皿でロールキャベツ、スープ、リゾットと3種の料理を楽しめた気分になった。

同行した友人は、「パスティツァーダ」という肉料理を注文。

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こちらはアドリア海沿岸のダルマチアの伝統料理とのことだが、なんとなくハンガリー料理の「ペルケルト」を彷彿させる見た目だった。

デザートは、チョコレートケーキとピスタチオのアイスクリームに、ベリーソースを添えて。

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このチョコレートケーキの中には、なんとマカロニが入っていた。

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店員さんから説明された時はビックリしたけれど、口にすると意外に普通に、いや、不思議に美味しく味わえた。

店員さんのサービスもとても心地よく、日本語を話しているのにもかかわらず、すっかりクロアチアを旅行している気分になれた。しばらく現地には行けないかもしれない。だから、またここを訪れよう。

ブダペストを深夜に出発して、0泊1日の弾丸旅行で訪れたクロアチア。朝の5時半到着後、サモボル (Samobor)首都ザグレブ(Zagreb)を駆け足で巡り、「ビストロ・フォティッチ(Bistro Fotić)」でランチを済ませてから、16時発の帰りのバスへと急ぐ。


バスターミナルへの道の途中でお土産を調達すべく、初めての道を歩くと、四角い形の広場にさしかかった。「ファシズム犠牲者の広場(Trg žrtava. fašizma)」という名前のその広場には、とても特徴的な円柱状の建物が堂々と佇んでいた。
 
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これは、「クロアチア・アーティスト協会(Hrvatsko društvo likovnih umjetnika)」だった。広場をぐるりと半周した先に、ブダペスト生活でもおなじみのスーパーマーケット「SPAR」があった。

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中でいろいろと購入。ついつい買いすぎて、結構な重さになってしまった。


鉄道の線路沿いの道を歩きながら、バスターミナルへと向かう。線路側の塀がアートスペース(もしくは落書きの場)となっているようで、途中「怪盗晴子節約」というなんとも気になる作品を見かけた。

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「怪盗」「晴子」の要素はなんとなくわかるが、「節約」の要素がまったくよくわからなかった。ポケストップになっている作品もいくつかあった。

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↓こちらは逆光で若干わかりにくいのだけど、塀の上に座っている人のようなモチーフが置かれていた。

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一番右、手だけ見えているということは、塀から向こう側に落ちてしまったのかもしれない。


10分ほど歩いて、バスターミナルが見えてきた。一番上に巨大スクリーンが設置されていて、さまざまなジャンルの広告が映し出されていた。

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バスの時間までちょっとだけ時間があったので、構内のバーでビールタイム

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出発前にこうして飲むビールって、どうしてこんなにも美味しいのだろう?


行きと比べて帰りの車内はガラガラ。しかも乗客のほとんどがクロアチア人だったようで、国境審査もびっくりするほど早く終わり、あっという間にハンガリー国内に。車窓から見える菜の花畑がとても美しかった。

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定刻よりもちょっと早めにケレンフェルド鉄道駅(Kelenföld vasútállomás)に到着。ブダペストの自宅に戻るまでが弾丸旅行なのだ。

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最後にきて、ちょっとした出来事が。エスカレーターを降りてホームにいた検札官に定期券を見せると、「俺の弟なんだよ」と、スマートフォンの画面を見せられた。なんと、テレビ電話で弟さんと話している途中だったらしい。仕事中なのに(笑)。

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お互いブダペストに住んでいるのだけど全然会う機会がなく、電話したのも久しぶりだったとのこと。それから数十秒間、私も一緒に画面越しに弟さんと会話することになってしまった。仕事中だというのにテレビ電話をしていることもだけど、こうして通りすがりの乗客も巻き込んでしまうなんて、日本だったらとても考えられない勤務態度。でも、こういう人々の適当っぷりがハンガリーでの生活において好きなところでもある(みんながみんな、そういうわけではないけどね)。


いっぱい歩いたので、帰宅してシャワー浴びてソッコーで就寝。当初何も予定がなかったイースター休み。この1日だけで4日分くらい満喫してしまった。

<前編>はこちら


クロアチアの首都ザグレブ(Zagreb)で行きたかったのが、「石の門(Kamenita vrata)」とあともう2箇所。そのうちの1つが石の門からさらに坂を登ったところにある「聖マルコ教会(Crkva sv. Marka)」だった。

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この教会は、なんといってもカラフルなタイルで装飾された屋根が特徴。あとで知ったのだが、ハンガリーが誇る陶磁器メーカー「ジョルナイ(Zsolnay)」のタイルとのことだ。左にクロアチア、スラヴォニア、ダルマチア王国の紋章、そして右にザグレブの紋章がデザインされている。

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鮮やかな青空の下、一層美しく目に映った。


坂を降りて、また市場の方へ。途中大きなイースターエッグに遭遇した。

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クロアチアの地方の風景が描かれているものだと思われる。


そして、もう1つ訪れたかった「ザグレブ大聖堂(Zagrebačka katedrala)」 に到着。

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約2年前に訪れた際はまだ塔の部分の全体が改修中だったので、やっとそれらしい姿を見れた気がした。まだまだ改修中だったけど。

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巨大な内部もとても豪華で、洗練されたステンドグラスがキラキラを輝いていた。


教会の建物の隣には先ほど見かけたのと同じようなイースターエッグが飾られていた。

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説明書きによると、表面に描かれているのは「クロアチア・ナイーヴアート」とのこと。そういえば、最初に見たイースターエッグの後ろがギャラリーだった。イースターに際し、このクロアチア・ナイーヴアートの誕生地でもあるコプリヴニツァ=クリジェヴツィ郡のアーティストたちとザグレブ観光局が、市民と訪問客に向けてのプレゼントして、ディスプレイしたそうだ。


サモボル (Samobor)で食べた2つのクレムシュニタ(Kremšnita)もそろそろ消化しきった(と思われる)ところで、ランチタイム。ネットで気になっていた「ビストロ・フォティッチ(Bistro Fotić)」に入った。

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とても可愛らしいインテリアのお店で、お料理もワインもとっても美味しかった。もちろん、追って「本宮じゅんの欧州美食探訪記」の方でも紹介しようと思う(※時期未定)。


街の中心地にはほかにもイースターのディスプレイがいろんなところにあって、家族連れやカップルたちが楽しそうに写真を撮っているのを見て、こういう時だけひとりで来たのが残念だったなって思ったりした。

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朝着いたばかりだけど、出発の時刻はもうすぐ。バスターミナルまでの道の途中、お土産を調達していくことにした。


続く!

バスはサモボル(Samobor)から首都ザグレブ(Zagreb)に到着。ブログにアップするのをすっかり忘れてしまったのだけど、実は2017年5月にもこの街を訪れている。なので当時の記憶を頼りに、再び訪れたい箇所を順に巡ることにした。


バスターミナルからてくてく歩いて、まずは鉄道駅の方へ。

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その反対側に広がるトミスラヴ広場(trg Tomislava)から観光を始めた。
 
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10世紀頃にクロアチアを統治していたトミスラブ王(Kralj Tomislav)の像、そしてその向こうのアートパビリオンの建物が青空の下に美しく映えていた。


どんどん歩いてイェラチッチ広場(Trg bana Jelačića)に到着。

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鮮やかな青の車体のトラムが行き交い、観光客もあふれていてとても賑やかだった。


階段を上がり、ドラツ市場(Dolac Market)へ。

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新鮮な野菜や果物がうず高く積まれて売られているのを横目に、まだまだ歩く。


ネクタイ発祥の地でもあるクロアチアらしく、大きなネクタイのディスプレイが印象的な「クラヴァタ(KRAVATA)」のお店のある坂をひたすら登り、

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この銅像を目印に左に曲がってさらに坂を登り、

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「石の門(Kamenita vrata)」に到着。

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建物の地上階部分がトンネルになっていて、その中には小さな祭壇がある。

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ロウソクの台や長椅子も設置されていて、まるで小さな教会のような空間だった。

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トンネルを抜けて反対側からの眺めはこんな感じ。

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そして、まだまだ坂道を登る。坂道の先に、今回の旅でどうしても訪れたかった場所があるのだ。

<後編>に続く! 

サモボル城(Stari grad Samobor)をあとにして、街の中心地へ。この時点で8,800歩も歩いていることもあり、さっそく「ウ・プロラズ(U prolazu)」と双璧を成すもうひとつのクレムシュニタ(Kremšnita)の名店である「リヴァディチ(Livadic)」に入った。

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ここで、この度の第一の目的であるクレムシュニタ(Kremšnita)を食べ比べを達成。どちらもそれぞれの特徴があって美味しかった。


この時点で朝の10時前。街にはだんだん人が増えてきて、だんだん賑やかになってきた。歩行者専用の通りには民芸品の露店も出ていて、街の活気を感じた。

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そのまま、バスターミナルへと急ぐ。

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公園の中を歩くと、ちょうどイースターの時期だったので、小さな子供達とウサギの着ぐるみがエッグハントをして楽しんでいるのが見えた。

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てくてく歩いてバスターミナルに到着。建物の中はこんな感じで待ち合いスペースもあったので、割とくつろげた。

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そして、バスに乗ってザグレブ(Zagreb)へ。

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この時点で総歩数は11,100歩。まだ11時前だというのに、普段の1日分よりも多い。そして、ザグレブでも行きたいところがたくさんなので、このあとまだまだ歩くことになる。


続く!
 

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