所用があって、久しぶりに田町を訪れた。
実はブダペストでの生活を始めた頃よりも、もっと昔の数年間、田町に住んでいたことがあった。
まだまだ若いエネルギーに満ち溢れていたあの頃は、夜な夜な仕事帰りに近所の居酒屋で飲み仲間たちと集まって、日付が変わる頃まで(変わった後も)、くだを巻きながら飲みつぶれていたものだった。
ブダペストから再び東京に戻り、大学院に社会人入学をし、博士課程の院生として日々を過ごしている現在からは想像もできないような時代だった。
別に「黒歴史」というわけではなく、私のその後の人生にとっても必要不可欠な時代だった。
第一京浜沿いの建物の1階にある、みそおでんの名店「源喜」も行きつけのお店のひとつだった。
東京に戻ってからだって、そんなに遠くに住んでいるわけではないのに、いつか行こう行こうと思っているうちに、最後に訪れてからもう10年近くが経過していた。
というわけで、せっかく田町に来ていたことだし、用事が終わってから足を運んでみることにした。
いろいろあって、結局23時過ぎとなってしまったが、まだ閉店前だったようで安心した。
お店の佇まいは、以前とほとんど変わっていなかった。もしかしたら多少は変わったのかもしれないけれど、記憶のままだった。
ひと呼吸してから、暖簾をくぐって中へ。
店内には他にお客さんはいなくて、カウンターの奥の男性店員が1人、閉店作業をしている様子だったので、開口一番「まだ開いていますか?」とだけ声をかけてみた。
メガネをかけたその男性店員はこちらをチラリと見て、「はい、どうぞ」と言ってくれた。
10年前にメガネをかけた男性店員はいなかったので、あとで「昔常連だったんですよ」という話でもしようかと気持ちを切り替えながら、ウーロンハイを注文したところ、男性店員が顔を上げ、「みやじゅん?」と訊いてきた。
その男性店員は、10年前はメガネをかけていなかった「板長」だった。
10年も会っていないのに、ちゃんと憶えていてくれたのだった。
それから思い出話に盛り上がった。
あの頃の他の常連も、今でもちょくちょくと店を訪れているらしく、その度に「あの人は今どうしている」などと他の常連の近況についても話していたそうなのだ。
実はブダペストでの生活を始めた頃よりも、もっと昔の数年間、田町に住んでいたことがあった。
まだまだ若いエネルギーに満ち溢れていたあの頃は、夜な夜な仕事帰りに近所の居酒屋で飲み仲間たちと集まって、日付が変わる頃まで(変わった後も)、くだを巻きながら飲みつぶれていたものだった。
ブダペストから再び東京に戻り、大学院に社会人入学をし、博士課程の院生として日々を過ごしている現在からは想像もできないような時代だった。
別に「黒歴史」というわけではなく、私のその後の人生にとっても必要不可欠な時代だった。
第一京浜沿いの建物の1階にある、みそおでんの名店「源喜」も行きつけのお店のひとつだった。
東京に戻ってからだって、そんなに遠くに住んでいるわけではないのに、いつか行こう行こうと思っているうちに、最後に訪れてからもう10年近くが経過していた。
というわけで、せっかく田町に来ていたことだし、用事が終わってから足を運んでみることにした。
いろいろあって、結局23時過ぎとなってしまったが、まだ閉店前だったようで安心した。
お店の佇まいは、以前とほとんど変わっていなかった。もしかしたら多少は変わったのかもしれないけれど、記憶のままだった。
ひと呼吸してから、暖簾をくぐって中へ。
店内には他にお客さんはいなくて、カウンターの奥の男性店員が1人、閉店作業をしている様子だったので、開口一番「まだ開いていますか?」とだけ声をかけてみた。
メガネをかけたその男性店員はこちらをチラリと見て、「はい、どうぞ」と言ってくれた。
10年前にメガネをかけた男性店員はいなかったので、あとで「昔常連だったんですよ」という話でもしようかと気持ちを切り替えながら、ウーロンハイを注文したところ、男性店員が顔を上げ、「みやじゅん?」と訊いてきた。
その男性店員は、10年前はメガネをかけていなかった「板長」だった。
10年も会っていないのに、ちゃんと憶えていてくれたのだった。
それから思い出話に盛り上がった。
あの頃の他の常連も、今でもちょくちょくと店を訪れているらしく、その度に「あの人は今どうしている」などと他の常連の近況についても話していたそうなのだ。
10年前から歳も取ったし、横幅も増えたし、全体的な雰囲気は絶対変わっているはずなのに、それでも板長が思い出してくれたのは、今でも私のことが定期的に話題に上っているからか、それとも私がそれだけ強烈な存在だったのか、おそらくはその両方だろう。
また近いうちに「みそおでん」を食べに再訪することを約束して、帰路へ。
第一京浜を歩いて駅まで歩く途中、ふと10年前の自分とすれ違ったような、そんな気がした。
また近いうちに「みそおでん」を食べに再訪することを約束して、帰路へ。
第一京浜を歩いて駅まで歩く途中、ふと10年前の自分とすれ違ったような、そんな気がした。