ドナウの東か、遥かもっと東から

2016年7月末よりハンガリーのブダペストで生活し、2019年8月末より東京へ。毎日が新しい発見の連続です。

カテゴリ: 【グルメ】

所用があって、久しぶりに田町を訪れた。

実はブダペストでの生活を始めた頃よりも、もっと昔の数年間、田町に住んでいたことがあった。
まだまだ若いエネルギーに満ち溢れていたあの頃は、夜な夜な仕事帰りに近所の居酒屋で飲み仲間たちと集まって、日付が変わる頃まで(変わった後も)、くだを巻きながら飲みつぶれていたものだった。
ブダペストから再び東京に戻り、大学院に社会人入学をし、博士課程の院生として日々を過ごしている現在からは想像もできないような時代だった。
別に「黒歴史」というわけではなく、私のその後の人生にとっても必要不可欠な時代だった。

第一京浜沿いの建物の1階にある、みそおでんの名店「源喜」も行きつけのお店のひとつだった。
東京に戻ってからだって、そんなに遠くに住んでいるわけではないのに、いつか行こう行こうと思っているうちに、最後に訪れてからもう10年近くが経過していた。

というわけで、せっかく田町に来ていたことだし、用事が終わってから足を運んでみることにした。
いろいろあって、結局23時過ぎとなってしまったが、まだ閉店前だったようで安心した。

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お店の佇まいは、以前とほとんど変わっていなかった。もしかしたら多少は変わったのかもしれないけれど、記憶のままだった。
ひと呼吸してから、暖簾をくぐって中へ。

店内には他にお客さんはいなくて、カウンターの奥の男性店員が1人、閉店作業をしている様子だったので、開口一番「まだ開いていますか?」とだけ声をかけてみた。

メガネをかけたその男性店員はこちらをチラリと見て、「はい、どうぞ」と言ってくれた。
10年前にメガネをかけた男性店員はいなかったので、あとで「昔常連だったんですよ」という話でもしようかと気持ちを切り替えながら、ウーロンハイを注文したところ、男性店員が顔を上げ、「みやじゅん?」と訊いてきた。
その男性店員は、10年前はメガネをかけていなかった「板長」だった。
10年も会っていないのに、ちゃんと憶えていてくれたのだった。

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それから思い出話に盛り上がった。
あの頃の他の常連も、今でもちょくちょくと店を訪れているらしく、その度に「あの人は今どうしている」などと他の常連の近況についても話していたそうなのだ。
10年前から歳も取ったし、横幅も増えたし、全体的な雰囲気は絶対変わっているはずなのに、それでも板長が思い出してくれたのは、今でも私のことが定期的に話題に上っているからか、それとも私がそれだけ強烈な存在だったのか、おそらくはその両方だろう。

また近いうちに「みそおでん」を食べに再訪することを約束して、帰路へ。
第一京浜を歩いて駅まで歩く途中、ふと10年前の自分とすれ違ったような、そんな気がした。 

汁無し担担麺、またはつゆ無し担担麺にすっかり魅了されつつある。
先日水天宮前の「汁なし担担麺ピリリ」にて堪能してきたばかりだったが、



この日は湯島に用事があったついでに、「四川担担麺 阿吽」というお店に立ち寄ったのだった。

11時半ごろに到着したためか、食券を購入後すぐにカウンター席の最後の空席に案内してもらえたのだが、普段は行列ができるほどの人気店のようだ。
実際料理を待っている間、お店の外で少しずつ行列が長くなっていくのが見えた。

券売機では「白胡麻つゆ無し」の食券を購入。「ピリリ」では黒胡麻を食べたので、今回は白胡麻にしてみた。
選べる「辣油の辛さ」は3で、「花椒の痺れ」も3で注文した。これがお店の基準レベルらしく、ちなみに初心者はどちらも2が推奨されているとのことだが、ちょっとだけ冒険してみたのだった。


ほどなくして料理が到着。紙エプロンを装着して、万全の準備で立ち向かった。

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レンゲとお箸で底の方から5回ほど全体をかき混ぜてから口に運ぶと、肉味噌は胡麻の風味が絶妙で、モチモチの食感の麺、シャキシャキの歯応えの水菜、味のアクセントになっている干し海老との組み合わせが最高に美味しかった。
このままでも充分美味しかったし、途中黒酢を加えて味の変化も愉しむこともできた。
半ライスも注文しておけばよかったかなと思いながらもあっという間に完食。
なかなか満足度の高い一品だった。

ところでネット上では、「ピリリ」は以前この「阿吽」で働いていた方が始めたとの情報もちらほら見られる。
確かに干し海老や水菜のトッピングも共通しているが、それぞれのお店にそれぞれの味の個性があるので、「汁/つゆ無し担担麺」といえど、それぞれ別の料理として堪能できると思う。

それにしても毎日のこの暑さを、担担麺の辛さと痺れと美味しさで吹っ飛ばしてやりたいものだ。

この日は所用で水天宮前へ。
地下鉄の駅から地上に出ると、広々と伸びる新大橋通りが見えて、人形町とか浜町とか蛎殻町などで飲み歩いた昔のことをちょっとだけ思い出した。今はもう戻れない、あの頃。

ランチタイムを目指して、あえて予定の時間よりも早めに到着し、事前にネットで調べていた「汁なし担担麺ピリリ」へと向かった。
お店はビルの2階。ちなみに1階には讃岐うどんのお店があってそこも気になってしまった。

階段を上がって店内に入り、まずは販売機で食券を購入・・・なのだが、PayPayでの支払いの場合は店員さんに声をかけて注文する、というシステムになっているようだ。白胡麻とも迷ったが、結局「汁なし担担麺 黒胡麻」を注文した。なお、選べる辛さは初心者のため「普通」を選択。
と、ここで白い服を着てきてしまうという痛恨のミスに気づいてしまったのだが、とってもありがたいことに紙エプロンが備え付けられていて助かった。

程なくして料理が到着。ほのかな刺激が嗅覚からも伝わっていて、食欲を誘った。

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たっぷりと盛り付けられた肉味噌は、黒胡麻の贅沢な風味と花山椒のピリリとした刺激が効いていて、絶妙な美味しさに。さらに、刻みネギ、シャキシャキの水菜と干しエビが、それぞれ新鮮なアクセントとなっていて、するすると麺が口の中に入っていき、あっという間に完食。
いつまでも余韻に浸りたい味と刺激だった。

ところで、担担麺屋専門店ながらとてもスタイリッシュな店内も居心地が良かった。

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880円ですっかり非日常気分を味わえて、なんとも贅沢なひとときだった。


用事を済ませて、重盛の人形焼で(自分へのお土産)を購入。

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1個足りないのは、写真撮る前に1個食べたから。
久しぶりに食べたので、ちょっと懐かしかった。

この日は所用につき吉祥寺へ。
用事を済ませたところでちょうどランチタイムになったので、複数のグルメ情報サイトを検索した結果、すっかりカレーの気分になった。とはいえ、吉祥寺にはカレーの名店が多くて、なかなか絞り込めない。
そんな中、カリーつけ麺キーマカリーの両方を一皿で愉しめるというなんとも贅沢なお店を発見した。その名も「モンタナ」
さっそく地図を頼りに足を運んだのだった。

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カウンター席に案内されて、該当の「モンタナ カリープレート」を注文した。初心者なので選べる辛さはレベル2「ディレイ(後から追いかけてくる、中辛レベル)」を選択。

ほどなくしてプレートが到着。一皿に麺、スープ、キーマカリー、サラダが綺麗に盛り付けられていて、見た目も鮮やかだった。

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先にサラダをいただいてから、まずはカリーつけ麺から。

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魚介系の味わいに、文字通り「後から追いかけてくる」辛さが心地良く味覚を刺激した。たっぷりと乗せられたチャーシューも食べ応え満点だ。

そして、途中でキーマカリーへと路線変更。

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最初のひと口目はそのままで、ふた口目からは卵の黄身を和えながらいただいた。マイルドな味わいながら、こちらも「後から追いかけてくる」辛さ
その辛さがいつまでも余韻に浸りたいようなくらいの美味しさだったので、次回はもう少し辛さレベルを上げてみようと心に誓った。

お腹も心も大満足で、次の目的地へ。
それにしても、お店の前のポスターにあった「モンタナカレー混ぜそば」もとっても気になった。
いくら胃袋があっても足りないね。
 

この日は所用で経堂へ。
経堂を最後に訪れたのは、おそらく20年以上前。確か「開かずの踏切」があったはずなのだけど、電車から降りたら線路が高架上にあって、駅も新しい印象で、どうやらしばらく来ないうちにすっかりリニューアルしていたようだった。しかも新しい駅ビルまでできていた。「開かずの踏切」はなくなったのね。

所用を済ませたらちょうどランチタイム。前もって、「ボロゾー(Borozo)」というハンガリー語で「ワイン酒場」(※ 注:ハンガリー語でのつづりは"borozó")を意味する店名のレストランがあることをチェックしていたので、迷わず向かったのだった。
しばらくして、すっきりと洗練された印象の外観が目に入った。

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お店ではハンガリーのワインも多数取り扱っていて、店内にはボトルがズラリと並んでいた。私はこの後車を運転する予定があったので、今回はワインは断念。

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メニューにあったミニスープがハンガリー名物「グヤーシュ」とのことだったので、さっそく注文した。
ドリンクはピンクグァバジュース。

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写真で一生懸命伝えたいくらい、お肉や野菜がゴロっと入っていて感激した。

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一口口に入れた瞬間に、まさにハンガリーの味だと思った。パプリカやスパイスの風味が程よく聞いていて、久しぶりに本場の味に出会えたといった感じだった。こんなに美味しいグヤーシュ、ミニサイズと言わずビッグサイズでいただきたいものだ。


そして、メインは「フォアグラとベーコンの半熟卵のせのリゾット バルサミコソース」

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ハンガリー産のフォアグラを贅沢にしており、とろとろの半熟卵とジューシーなベーコン、そしてバルサミコソースが、チーズリゾットにさまざまな味の変化を加えてくれる。

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最後までじっくりと堪能した。欲を言えば赤ワインと一緒に愉しみたかったのだけど、それは私の都合なので。

ちなみに同行した友人は、「ビーフハンバーグ・BOROZO特製デミグラスソース」を注文。

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メニューにはオムライスやローストビーフ、パスタなどもあって、どれもとっても気になった。もう少し近ければ、週1で通いたいくらいだ。


しっかり食べた後は、駅の周りを少し歩いた。お店とは反対側の方でハート(?)の家族に遭遇。

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祖父、祖母、父、母、弟と5体いるのだけど、「弟」ということは「兄」もしくは「姉」がいるはずなのに、近くには見当たらない。
謎を抱えながら駅に戻ると、駅前広場に「私」がちゃっかり彼氏と一緒に佇んでいた。リア充かい!

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いつもと違う街を歩いてみると、意外な発見に出会えるものだ。



※ハンガリー料理「グヤーシュ」について、詳しくはこちら↓
 

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