ドナウの東か、遥かもっと東から

2016年7月末よりハンガリーのブダペストで生活し、2019年8月末より東京へ。毎日が新しい発見の連続です。

カテゴリ: 日本

ブダペストから東京に引っ越してからもうすぐ4年となるのにまだまだ荷物を片付け切れていない、という話を先日したばかりなのだが。



向こうで入手した紙袋も捨てられない。

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よく、片付けられない人の家には大量の紙袋があると聞くけれど、私も他人のことを笑っていられない。
でも、もう二度と入手できないかもしれないって思うと、なんとなく捨てられないのだ。

写真一番左のフィンランド大使館の紙袋、その隣のパーズマーニ・ペーテル・カトリック大学(Pázmány Péter Katolikus Egyetem)の紙袋、パーリンカメーカーのシチェク(Szicsek)の紙袋、ヘレンド(Herend)の紙袋などは知人・友人の手土産が入っていたもので、ドレヘル(Dreher)の紙袋はビール工場を見学した時のものだったりと、入手経路はさまざまだ。

いずれにしても、これらの紙袋もまさかはるばる日本にまでやってくることになろうとは、予期していなかったことだろう。

そう考えると、ますます捨てられないのだ。


※追記
写真真ん中のティサ(Tisza)の紙袋は、取っ手の紐が切れてしまったので、後日古紙回収用の紙袋としての使命を全うした。
 ほかの紙袋は再び自宅の押し入れの中で眠りについた。

所用があって、久しぶりに田町を訪れた。

実はブダペストでの生活を始めた頃よりも、もっと昔の数年間、田町に住んでいたことがあった。
まだまだ若いエネルギーに満ち溢れていたあの頃は、夜な夜な仕事帰りに近所の居酒屋で飲み仲間たちと集まって、日付が変わる頃まで(変わった後も)、くだを巻きながら飲みつぶれていたものだった。
ブダペストから再び東京に戻り、大学院に社会人入学をし、博士課程の院生として日々を過ごしている現在からは想像もできないような時代だった。
別に「黒歴史」というわけではなく、私のその後の人生にとっても必要不可欠な時代だった。

第一京浜沿いの建物の1階にある、みそおでんの名店「源喜」も行きつけのお店のひとつだった。
東京に戻ってからだって、そんなに遠くに住んでいるわけではないのに、いつか行こう行こうと思っているうちに、最後に訪れてからもう10年近くが経過していた。

というわけで、せっかく田町に来ていたことだし、用事が終わってから足を運んでみることにした。
いろいろあって、結局23時過ぎとなってしまったが、まだ閉店前だったようで安心した。

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お店の佇まいは、以前とほとんど変わっていなかった。もしかしたら多少は変わったのかもしれないけれど、記憶のままだった。
ひと呼吸してから、暖簾をくぐって中へ。

店内には他にお客さんはいなくて、カウンターの奥の男性店員が1人、閉店作業をしている様子だったので、開口一番「まだ開いていますか?」とだけ声をかけてみた。

メガネをかけたその男性店員はこちらをチラリと見て、「はい、どうぞ」と言ってくれた。
10年前にメガネをかけた男性店員はいなかったので、あとで「昔常連だったんですよ」という話でもしようかと気持ちを切り替えながら、ウーロンハイを注文したところ、男性店員が顔を上げ、「みやじゅん?」と訊いてきた。
その男性店員は、10年前はメガネをかけていなかった「板長」だった。
10年も会っていないのに、ちゃんと憶えていてくれたのだった。

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それから思い出話に盛り上がった。
あの頃の他の常連も、今でもちょくちょくと店を訪れているらしく、その度に「あの人は今どうしている」などと他の常連の近況についても話していたそうなのだ。
10年前から歳も取ったし、横幅も増えたし、全体的な雰囲気は絶対変わっているはずなのに、それでも板長が思い出してくれたのは、今でも私のことが定期的に話題に上っているからか、それとも私がそれだけ強烈な存在だったのか、おそらくはその両方だろう。

また近いうちに「みそおでん」を食べに再訪することを約束して、帰路へ。
第一京浜を歩いて駅まで歩く途中、ふと10年前の自分とすれ違ったような、そんな気がした。 

5月のゴールデンウィーク頃から、少しずつ自宅のベランダ菜園の準備を始めてみた。



去年のプランターをそのまま放置してしまっていたので、一旦土を取り出して天日で干し、ふるいにかけて古い根っこなどを取り除き、土の再生剤や新たな土と混ぜながら、新しいプランターに移し替えた。

2023年のスターティングメンバーは、ゴーヤと、

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キュウリと、

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ミニトマトと、

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そしてローズマリーの4種。

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ゴーヤキュウリは今までのものより大きなサイズのプランターを用意した。これでのびのびと思いっきり育っていって、たくさん実を付けてほしい。
ミニトマトのプランターには、バジルパセリの種を蒔いてみた。
コンパニオンプランツとして、相性がとても良いらしいのだ。


古い根っこを取り除く過程で、枯れ果てたニラの根からうっすらと緑色の芽が見えていたので、土に植えてみたところ、さっそくぐんぐん育ってきた。

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2020年から育てている同じ株、2023年になってもまだまだ現役だ。



いったい何年間育つのだろう。冬の間は枯れ草そのままのビジュアルなのに、春になると何もしていなくても芽を出すのがとっても不思議だ。

日を追って、ピーマンナスも植えてみた。
↓こちらはピーマンの苗。

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別のプランターでは生ごみ乾燥機も活用しながら有機肥料を自作している。

 

有機肥料の作成には、今年からちょっとした新たな挑戦もしているので、そちらも上手くいくといいなと思いつつ。

野菜たちの成長が、日々楽しみである。 

自宅を整理していたら、収納の奥の方からなんとも年季の入った紙の箱を発掘した。

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箱の表には"Made in Czechoslovakia"のスタンプ、そして"April 3, 1970 CZECHOSLOVÁK NATIONAL DAY Regards Karla"と記載されていた。
どうやら1970年4月3日のチェコスロヴァキアのナショナルデーに、Karlaさんから贈られたものなのかもしくはただサインをいただいただけなのか、ということらしい。
(※ちなみに最初見た時よくわからず、Twitterのフォロワーさんからの情報提供でここまで明らかになったのだった。)

私が生まれるずっと前のことだし、どういう経緯でここにあったのかを家族に訊いてみたところ、亡き親戚が1970年に大阪万博に行った際に、チェコスロヴァキアのパビリオンで入手したものらしい。

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箱を開けると見事なパール調のネックレス。
これに合わせる服を持っていないのが、残念なところだ。

もう1つ、スプーン型のオブジェも見つけた。

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こちらもメイド・イン・チェコスロヴァキア。おそらく先ほどのパール調ネックレスと同時に、亡き親戚によって持ち帰られたものだと思われる。

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スプーンに描かれているのは、どこの街なのだろう?と思っていたら、

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なんのことはない、プラハなのだと、こちらに関してもTwitterのフォロワーさんに教えてもらった。

ちなみに私がプラハを最後に訪れたのは、今から20年以上も前の2000年のこと。 
もちろんカレル橋プラハ城の記憶はあるが、この絵に描かれているような景色を見たわけではないので、最初のうちはピンと来なかった。

2000年当時の私はドイツのライプツィヒに留学中で、ドイツの別の街に留学中の日本人の友人と一緒に、プラハまでの電車の旅を楽しんでいた。
カレル橋の上で写真を撮ろうとしたら、近くを通りがかった男性が「写真撮ってあげましょうか?」と話しかけてきて、自分たち以外の久しぶりの日本語にビックリしていたら、彼は世界一周の旅の途中で、その日にチェコに着いたばかりの日本人とのことだった。
そのまま3人で数時間ほどトロッコみたいな小さな路面電車に乗って市内観光をして、夕暮れ前に連絡先も交換せずに「じゃあね」と手を振って別れた。
ふと、そんなことを思い出した。
一緒に旅行した友人とは今でも親交が続いているが、あの男性は今どうしているだろうか?
もしかしたら、どこかでニアミスしているのかもしれない。

この日はふとジョージア料理ハチャプリが食べたくなって、久しぶりに気合いを入れてトライしてみた。
に作ってからもう3年近く経っているものの、思っていたよりも腕は覚えていた。



生地を捏ねて整形して、シュレッドチーズなどをトッピングして、オーブンで焼いて、一旦取り出して卵黄とバターをトッピングして、また焼いて完成。

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結構しっかり両端を繋いでいたはずが、焼いているうちにほどけてしまっていた。なかなかうまくいかないものだ。

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それでもこんがりと美味しそうに焼けて、なかなかの出来栄えだと自負している。

ちなみに、今回材料にカッテージチーズを使おうとしていたのに、すっかり買い忘れていたため、急遽キッチンペーパーにヨーグルトをくるんでレンジでチンして作った即席水切りヨーグルトで代用した。
結果、ほぼカッテージチーズと同じような食感かつ味わい。
機転は利かせてみるものだ。

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もう1品は、シュクメルリ

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こちらは今回もイスクラさん著の『ノスタルジア食堂』のレシピを参考にして作った。
ニンニクの香りが部屋中、もとい家中に広がって、それだけで活力がみなぎってきた。

これだけじゃ足りないかなと思っていたのに、さすがにお腹いっぱいに。
今度は近々ヒンカリも作ってみるかな。

 

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