まったくもってハンガリー語ができないまま、ブダペストにやって来て約1ヶ月半が過ぎていた。


もちろん、ハンガリー語を勉強する努力はしていた。日本から持ってきた語学参考書などで、できるだけ時間を割いて自習もしていたし、挨拶と数字の読み方くらいはできるようになっていた。しかしながら、英語やドイツ語とはまったく違う言語体系で文法のルールも多く、どれだけ参考書を読んでもなかなか頭に入ってこなかった。


というわけで、普段の生活でのコミュニケーションは、90%日本語+5%英語3%ドイツ語2%ハンガリー語という構成比。ハンガリーに住んでいるのだから、もっとハンガリー語を使うべきだとは、ひしひしと痛感していたのだけど、例えば買い物の時、お店の人に英語で話しかけられるとそのまま英語で返してしまうこともあった。


元々、9月から語学学校に通う予定だった。まぁそれを言い訳にして、なかなか勉強に本腰を入れていなかったというのもあるのだけど、その語学学校のコースもいよいよ開講。もう言い訳はできない。




クラス分けのテスト(筆記・口述)の結果、予想を裏切らず初級クラスに配属。
同じクラスは全員女性、しかも美人揃い。そして、私以外は全員欧米出身で、アジア人は私だけだった。


先生は年配の男性で、後でこの語学学校を紹介してくれた友人が「今まで教えてもらった中で最高の先生」と絶賛していた方だとわかった。なんて幸運
授業は初心者の私たち生徒にも容赦なく、ほぼ99%ハンガリー語で進められる。基本はテキストに沿って文法や会話例を学ぶのだが、ひとつの単語をとっても、様々な用例をあげ、身振り手振りも交えて丁寧に教えてくれる。私たちは初心者なりによく考えながら、覚えた単語で文章を作り、それを声に出す。結果、少しずつハンガリー語が自分のものになっている実感がある。


そんなこんなで毎日3時間みっちりハンガリー語初級文法からしっかり特訓している。あまりに他の言語体系と違うため、欧米出身者にとっても難しいようで、「日本人だから」というハンデはないことにも気づいた。


10月になる頃には、先生やクラスメイトと世間話くらいできるようには上達したい。でも、何より楽しんで勉強できるのが嬉しい。