そういえば、肉好きな人で「すき焼き」が嫌いな人ってあまり聞いたことがない。 


牛薄切り肉の魅力を最大限に堪能できるこの料理、たとえ春菊ネギが苦手だったとしても、避けて食べればいいわけだし、牛肉の旨みがたっぷり凝縮された具材だけでも充分贅沢な味わいである。
豆腐に関しては「先に入れて煮込んで浸み込んだ味を楽しむ派」「後から入れてそのままの味を楽しむ派」に分かれるが、いずれにしても美味しくいただける(ちなみに私はどちらの派閥も支持している)。


東京の家では、まずすき焼き鍋に脂をひいて牛薄切り肉を焼いてから、砂糖醤油を入れて、あとは野菜を入れたら一度牛肉を取り出し、あとは水は一切使わず野菜の水分だけで仕上げる。割り下はもとより、みりんや料理酒も使わないこのスタイルは関西風に近いようだが、家族に関西出身者がいるわけではない。牛肉の旨みと砂糖と醤油だけなのに、とても奥深い味わいとなるのが不思議だ。





夏だからか春菊もネギも冬場と比べて若干高かったようだが、暑い夏でも嬉しいソウルフードである。
ハンガリーに引越ししてからも、ぜひ手に入る材料で作ってみたい。ただ、牛肉は自分でスライスして薄切り肉にするとしても、春菊やえのきや豆腐はなかなか難しいかもね。