まず最初に断っておくと、この映画を観たのは本年度のアカデミー賞授賞式が開催された日よりも数日前の2020年2月7日(金)のことである。
とはいえ、日本での公開時には既にカンヌ国際映画祭で最高賞のパルム・ドールを受賞したことは話題になっていたし、有名な賞を受賞した作品だから、というよりも、予告編にメチャクチャ興味をそそられたから映画館に行くことにしたのだった。


全員失業中。日の光も、電波も弱い“半地下住宅”で暮らす貧しいキム一家。大学受験に失敗し続けている長男ギウは、ある理由からエリート大学生の友達に家庭教師の仕事を紹介される。身分を偽り訪れた先は、IT企業を経営するパク社長一家が暮らす“高台の大豪邸”。思いもよらぬ高給の“就職先”を見つけたギウは、続けて美術家庭教師として妹ギジョンを紹介する。徐々に“パラサイト”していくキム一家。しかし、彼らが辿り着く先には、誰にも想像し得ない衝撃の光景が待ち構えていた―。
そもそもこの設定で、面白くならないわけがないネタバレはしない主義なので詳細には触れないけれど、実際文字通り「100%予測不能な展開」で、観終わったあとも数日間その余韻が続いた。いろいろと深く考えさせられた。

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観賞後にネットでさまざまな映画評を読んでいると、あとから、ああ、あのシーンはこういう意味があったのか、なんて新しい発見もあって、また観たくなってきた。そしてDVDやネット動画で公開されたら、気になったシーンを巻き戻したりして、何度も何度も反芻して楽しんでみたい。ストーリー展開や俳優陣の演技力などの素晴らしさだけでなく、「映画」ならではの芸術性にも感動させられた、そんな作品だった。