ウクライナとハンガリーとの国境の町ヴィロク(Вилок)にある「トゥルル(Turul)」のモニュメントを訪れたあとは、約7km北西に進み、「チェトファルヴァ(Четфалва)」という小さな村へ。

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もともとのハンガリー語名「チェトファルヴァ(Csetfalva)」が、ウクライナ語でも同じ地名となっている。

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この村はなんと住民の99%がハンガリー系住民だという。とても特徴的なフォルムの改革派教会の建物を見つけ、近くに車を停めた。

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残念ながらこの中には入れなかったが、隣接している古い木造教会がちょうど修復作業中で、作業員さんたちにハンガリー語で訊いてみたら快く中に入れてくれた。

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15世紀に建てられたというこの小さな教会の内部には、中世の雰囲気がそのまま残っていた。

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天井の装飾もとてもかわいらしい。よく見ると、ハンガリー語で文章が書いてある板もあった。

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そして、奥にはハンガリーの国旗
 
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さらに、ピアノの譜面台の上にはハンガリー語の賛美歌の楽譜が置かれていた。

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ひととおり見学して、建物の外へ。

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ハンガリーの著名な小説家、モーリッツ・ジグモンド(Móricz Zsigmond)の母親がこの地で誕生したという記念碑を見つけた。

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ちなみにモーリッツ・ジグモンド本人は、ここから直線距離で6kmほど離れた現在もハンガリー領のティサチェーチェ(Tiszacsécse)で誕生したとのこと。当時はまだ同じ国だったし、間にティサ川が流れているとはいえ、人々の行き来も頻繁だったのではないかと思われる。が、今は別の国になってしまい、一旦ヴィロク(Вилок)まで出て国境を越えてから、という遠回りな道のりになってしまっている。そう考えていると、なんだか複雑な気持ちになってしまった。


ところで、先ほどの新しい建物の方に目をやると、
 
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コウノトリが巣を作っていた。

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4羽もいて賑やかな様子。


近くの商店兼カフェに入ってひと休み。店員さんもお客さんもハンガリー語で普通に会話していた。

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私たちがハンガリー語で声をかけると、さすがに最初は驚いた様子だったが、すぐに打ち解けてこの村のことをいろいろと教えてくれた。ウクライナにいるということを、すっかり忘れてしまいそうな、そんな不思議なひと時だった。