ブダペスト3区アールパード橋(Árpád-híd)のたもと近くに、「ハンガリー貿易観光博物館(Magyar Kereskedelmi és Vendéglátóipari Múzeum)」という博物館がある。ちなみにハンガリー語から直訳すると「ハンガリー貿易業と接客業の博物館」といったニュアンスで、その名の通り貿易業だけでなく、販売業、外食産業、観光業など多岐にわたるテーマに関しての博物館。グルメがライフワークの私としては、なんとしても訪れたかったスポットだった。ただ、中心地から離れていてちょっと行きにくいロケーションにあるのを言い訳に、ずっと後回しにしてしまっていたのだった。


そんな中、11月4日まで特別展の方で「ユツィカは何を買った? 〜社会主義時代の広告における女性たち〜(Mit vásárolt Jucika? Nők a szocialista reklámban)」というなんとも興味深いタイトルの展示があったので、最終日に足を運んでみた。


こちらが博物館の外観。

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ドアには特別展のポスターが貼ってあった。

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こんな佇まいなので一瞬休館日かと思いかけたのだけど、重厚なドアを開けると普通に開いていた。


「ユツィカ(Jucika)」というのは、ハンガリーの女性の名のうち「ユディト(Judit)」「ユーリア(Júlia)」「ユリアンナ(Julianna)」などのニックネーム。特定の女性をいっているのではなく、「たとえばユチカだったら」というようなニュアンスで付けられたタイトルなのだろう。中に入ると、1947〜89年の各種媒体の広告を中心に、文字通り当時の女性たちの生活やファッションの実態が展示されていた。
 
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こういうレトロなデザインの家電ってとても好き。

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当時の部屋を再現したコーナーも。個人的には、テレビ以外は現代でも通用しそうなインテリアだと思った。

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奥の壁にはハンガリーのシューズメーカー「ティサ(Tisza)」の靴も。

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あとで調べてわかったのだけど、1942年創業とのことなので、この時代の人々にもすでに親しまれていたのだろう。


本当に特別展なのがもったいないくらい充実した内容だった。そして常設展の方はさらに充実していて、何時間いても飽きないくらいだった。あえて駆け足で見て回り、次回のお楽しみを残すことにした。