その昔広告代理店に勤務していた頃からのクセもあり、広告には媒体問わずついつい注目してしまう。とある用事の帰りに大きな通りを歩いていたところ、なにやら楽しそうな人たちが写っている屋外看板を見かけた。


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近寄ってよく見たところ、下の方に“EGYÜTT BONTANÁK LE A HATÁRZÁRAT”というコピーが赤背景に白地で強調されていた。「彼らは一緒に国境フェンスを取り壊そうとしている」という意味で、4月8日の総選挙に向けてのオルバーン首相率いる与党フィデス(Fidesz)の選挙キャンペーンの看板だった。
とびきりの笑顔の中央の人物は、投資家のジョージ・ソロス氏で、左右には大きく黄色いペンチを手にした野党の主力政治家たちが並んでいる。ハンガリー政府はソロス氏が欧州への不法移民流入を支援していると見なしていて、彼や彼が資金援助しているNGOへの規制などを目的とした「ストップ・ソロス(STOP SOROS)!」という名の関連法案も打ち出している。


で、バス停などで見かけるそのキャンペーン看板広告はこちら。

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“SOROS MILLIOKÁT TELEPÍTENE BE AFRIKÁBÓL ÉS A KÖZEL-KELETRŐL”というコピーがものすごい存在感を放っている。「ソロスはアフリカと中東から数百万人を移住させようとしている」という意味だ。当該キャンペーンに関しては屋外看板だけでなく、テレビやラジオのCMや新聞広告を始め、特設サイトまである。


個人的には、こうした政府や与党のキャンペーンの広告には大変興味を持って接している。だって、使われているハンガリー語が外国人の私にとっても、とてもわかりやすいのだもの。文法の勉強にも役に立つ。
おそらく伝えたいことがより多くの人に伝えるために、どんな人にでもわかりやすいように工夫されているんだろうね。