今までの人生の中でコレクションをしたものといえば、ドコモダケグッズと調理器具くらいだっただろう。
ドコモダケに関しては、ある時急にあの無表情のキノコのキャラクターに魅了されて、狂うように集め始めていた。学生時代にチェブラーシカにハマっていた友人がいて、その時はたかだか2次元(もしくは3次元)のキャラクターに対してどうしてこんなにも情熱を注ぐことができるのか、まったく理解ができなかったのだけど、自分がドコモダケにハマった時に彼女の気持ちが痛いほどによくわかった。これは恋にも似たような気持ちなのだ。その姿を見ると胸がキュンキュンしてしまうし、できることならいつでも一緒にいたいのだ。
そして、普段から「ドコモダケが好きだ」とアピールしていると、友人とか同僚とか、はたまた別部署の上司などいろんな人(というかつまりはドコモユーザー)がドコモダケグッズをプレゼントしてくれる。そうしてまたドコモダケ愛がますます増幅する、といったサイクルが4年くらい続いていて、ある時急に醒めた。あの情熱はなんだったんだろう?と自分でも不思議になるくらい、急に醒めた。今では大量のドコモダケグッズを実家に保管したまま、手をつけられないでいる。
そして調理器具に関しては、単に「パン・焼き菓子の製作」が趣味兼ライフワークだったからだ。会社勤めをしながら製菓専門学校に通っていたこともあり、合羽橋などでいろいろと揃えていた。ブダペストでの生活を始める前に人に譲ってしまった物もあるけれど、また日本にも持ち帰った物もある。まあ、これに関しては「コレクション」というより、実用的な意味合いの方が強いし、いずれ改めて語りたい。
で、最近は何をコレクションしているかというと、旅行先のお土産屋で買うマグネット。
ポストカードやピンバッジ、スノードームをコレクションしている友人たちもいるけれど、私はマグネットにこだわっている。さらに、訪れた場所で最も印象的なシーンの絵柄を選んでいる。
そして、こうして見ると改めて、自分が廃墟が好きだということを実感せざるを得ないのだった。