ドナウの東か、遥かもっと東から

2016年7月末よりハンガリーのブダペストで生活し、2019年8月末より東京へ。毎日が新しい発見の連続です。

2019年01月

土曜日ジャンベーク(Zsámbék)に行く前に立ち寄ったビオ・ピアツ(BIO PIAC)で発覚、もとい発見した。

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揃いも揃って二股。しかもちゃっかり三股のまで紛れていた、ニンジン。まあ、山積みになっていたニンジンの中から、あえて自分で選んで買ったのだけどね。店員さんも「二本足だね」ってクスって笑っていた。


それにしても、こうして並べているとそのうち歩き出しそう。ちなみに味は普通にニンジンだった。

 

ジャンベーク(Zsámbék)を後にして南に進み、ブダペスト近郊でも名高いワイン郷エチェク(Etyek)に到着。事前にネットで調べていたワイナリー「ドゥヴォラーク・ヴェンデーグウドヴァール」(Dvorák Vendégudvár)を目指した。そして、これはジャンベーク(Zsámbék)に着いた時からだったのだけど、スノーブーツを履いて来なかったことを激しく後悔した。ブダペストからほんの30kmほど離れているだけなのに、起伏の多い地形のこのあたりにはまだまだ雪国の趣だった。


坂を登って左折してすぐのところで発見。建物の中が賑わっている様子が外にまで伝わってきた。

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それにしても建物の中はかなり盛り上がっている様子だったので、空席があるのかを外にいるスタッフに質問したところ、店主とおぼしき男性が登場。そこで、豚の解体(disznóvágás)の予約している団体客がいるため、彼らが注文した豚肉のスープ豚肉のローストしか提供できないと申し訳なさそうに伝えられた。だけど新鮮な豚肉料理を食べられる機会なんてそうそうないから、私たちとしてはむしろラッキーだったのだ。そのまま中に入って、大盛況のグループの隣のテーブルへ。この後の運転は友人に託すことにして、さっそく自家製の白ワインを注文した。

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まもなくしてどどーんと豚肉のスープがやってきた。2人分のはずなのにこのボリューム。これだけでおそらく4人分くらいあったし、しかも「おかわり自由」とのことだった。骨ごとの豚肉と、ニンジンやタマネギ、キャベツなど野菜もたっぷり入っていた。

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ひと口そのスープを口にした瞬間に寒さが吹き飛んだだけでなく、世界が変わった。野菜と豚肉の全ての素材そのままの旨味が、文字通りにぎゅっと詰まっているのを舌先だけで充分に感じられた。そして飲み込むたびにその美味しさが喉から胃にかけて伝わっていくのが、なんともいえない快感だった。こんなに美味しいスープを食べたのは初めての経験だったと確信している。


スープを食べながら、隣の団体客から話しかけられたりもした。どうやら結婚を間近にした男性のお誕生日パーティーとのこと。小さな店内のうち20人ほどはそのお祝いに集まった団体客だが、私たちの反対側のテーブルもたまたま訪れていた客らしい。彼らも含めて、店内全体がお祝いモードになっていて、寒さも吹き飛ぶ熱気に包まれていた。そして、メインの豚肉のローストも到着。

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付け合わせは摂取カロリーを考慮して紫キャベツに選んだのだけど、ポテトも選べた。豚肉はリンゴと生姜とニンニクで味つけられていて、肉質も柔らかかったこともあり、極上の味わいだった。おそらく解体直後で新鮮だったからこそ味わえたのだろう。一口ひと口じっくり堪能した。


そんな間も団体客のパーティーは盛り上がり、なんと私にまでパーリンカ(pálinka)が振る舞われた。

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どうやら団体客のうちの誰かの自家製のものだったらしい。それにしてもこういうハンガリーでの生活ならではのハプニング、久しぶりに体験できてとても嬉しかった。


そろそろ会計を済ませて店を出ようとしたところ、スタッフから自家製サラミと、

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自家製の生ハムの差し入れがあった。

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あまりに美味しすぎてどんどん白ワインも進み、当初私の分グラス1杯の予定が、1人でデカンタ半分くらいを空けてしまった。しかも残りの白ワインも持ち帰らせていただけることなったうえに、会計は1人約4,000フォリント。これはもっと暖かい季節にまた気合を入れて再訪するという正当な理由となった。


今回は団体客の予約があったために特別メニューとなったのだが、そうでない日のメニューもバリエーション豊かの様子。自分の誕生日パーティーの際も貸切したいと思ったくらいだ。まあ、それはなかなか難しいと思われるので、せめて少人数でだけでも再訪して、また美味しいワインと料理をとことん堪能してみたい。そう願っている。

ブダペスト近郊のジャンベーク(Zsámbék)という小さな町で、(個人的に)ロマン溢れる教会跡を見学した後は、丘を降りて中心地へ。途中、かつての貴族ジッチ家の居城(Zichy-kastély)もあり、この町の歴史の深さを実感した。

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そして、市街地図を見ていてとっても気になったのが、こちらの「ランプ博物館(Lámpamúzeum)」

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1979年にオープンして今年で40周年になるこの博物館には、世界中から集まった1,100個以上のランプのコレクションが展示されている。
 
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もともと創始者のボルシュ・フェレンツ氏(Borus Ferenc)ボトル飲料をコレクションしていて、1960年代より個人で「ワイン博物館」を運営していたのだが、その内部の照明としてランプを探しているうちに、いつのまにかランプまでコレクションするようになっていた。そして、集めたランプを住居に飾っていたところ、メディアでも紹介されて話題がどんどん広まり、そうした流れで別の場所に「ランプ博物館」をオープン。さらにその評判は国外にも及び、1995年にはギネス世界記録に登録されたとのことだ。

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館内の展示は、ジョルナイ(Zsolnay)製など美しい陶磁器のランプが大多数だったが、鉄道や軍隊で使用されていたランプも所狭しと並んでいた。

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例えば、↓の写真一番右の1941年のドイツ軍のシグナルライトなども。

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規模自体は小規模だったが、なかなか見ごたえがあった。いつかもう一度じっくりと鑑賞してみたい。


ところで、なんだか微笑ましかったのは、中央のテーブルがキッズコーナーになっていたこと。テーブルの上には塗り絵と色鉛筆が置かれていた。

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こういうのって他の博物館や病院の待合室なんかでもよく見かけるのだけど、大人だけでなく子どもたちも楽しめるようにという心遣いなのかもしれない。


博物館を出ると、建物の並びの壁一面が昔の農耕器具(?)のディスプレイになっているのに気づいた。

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ちょっと気になったのだけど、この時点でかなりお腹が空いてきてしまったので、ジャンベークを後にして次の目的地でランチタイム。車は一旦進行方向を南に、ワイン郷エチェク(Etyek)へと向かった。

私にとって週末の過ごし方で理想的なのは、土曜日の午前中にビオ・ピアツ(BIO PIAC)やスーパーで1週間分の買い出しを済ませてから、お昼以降はブダペストの中心地でグルメ開拓したり、車でハンガリーの他の地方にも足を伸ばしてみたり、友人とランチパーティーしたりして過ごすこと。そして日曜日は午前中に掃除とか洗濯とかアイロンがけとか細々とした家事を済ませてから、お昼は自分で作ったものを食べ、午後は本を読んだり散歩(※ポケモンGO含む)をして過ごすこと。まあもう少し欲を言えば、ハンガリー国外旅行にも出かけてみたいのだけど、それは暖かくなってからでもよいかなとも思っている。それに、まだまだハンガリー国内でも未踏の地はたくさんあるわけなのだし。


というわけで、土曜日はブダペストから車を西へと飛ばして約30分のところにあるジャンベーク(Zsámbék)という小さな町へ。前日にハンガリー語のガイドブックをパラパラ開いていたら、ブダペストから意外に近いこの町に古い教会跡と石造物(Romtemplom és Kőtár )があることを知ったのだ。ちなみに私は中世時代のお城や教会の遺跡(※丘の上にあるとさらにポイントアップ)が大好きなのだ。そして町に到着するとこの教会跡が小高い丘の上に見えてきて、ますます興奮してきた。

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まだ残る白い雪に映えた姿がとても素晴らしかった。青空の下だとさらに美しいのだろう。

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しばらく柵の外側から眺めていたのだが、入口へと導く標識で中にも入れることに気づき、チケットオフィスで入場料(大人800フォリント)を払って中に入った。

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ちなみに右下に「その他の料金」について書いてあって、ガイドツアーが4,000フォリントから、そしてなんと結婚式や洗礼式の記念撮影も1回8,000フォリントで受け付けているらしい。春になるとそういう目的で利用する訪問者も多いのかも。


元々の基礎の部分は1220年代に建てられたというプレモントレ修道会の教会で、1258年ベーラ4世の時代に拡張されて今でも残る姿となった。1773年の地震で損傷を受けて以降は所有者不在の時代を経て、20世紀に入ってから修復工事が進んだとのこと。

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え?ハンガリーで地震?って一瞬ビックリしたのだけど、現代においても別に全く起こらないわけではないらしい。


ほとんど廃墟となっているとはいえ、全盛期の様子がなんとなく想像できる趣だった。

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ぐるっと周囲を回ってこちらの角度から見ると、今でも現役で使われているようにも見える。

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ところで、入口のチケットオフィス近くにあったこちらの建造物。

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ちょっと気になって改めて戻ってみたところ資料館となっているようで、その中にさまざまな展示品が見えた。残念ながらこの日は雪のために立ち入り禁止にしていたようだ。


そして、その上には登ることができて、見晴らし台になっていた。

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ちょっと高い位置から教会跡を撮影。

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当初この教会跡だけを目的にこの町に訪れたのだが、近くにあった市街地図の看板を見たところ、まだまだ面白そうな見どころがある様子。なので、丘を降りて町の中心地に向かうことにした。

おそらく2017年の夏にセルビアに行った際に自分用のお土産に買ってきたキャンディー「ネグロ」(Negro)を2019年の冬になってやっと開封。
 
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だって開封するのがもったいなかったのだもの。それに、結局それ以来セルビアに行く機会もなかったのだ。


パッケージを見る限り、ハチミツライム、そしてミントのフレーバー・・・と思っていたらTwitterのフォロワーさんからこれはミントではなく緑茶だと教えてもらった。包み紙を開けるとパッケージの通り、中身のキャンディーは真っ黒

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口に入れるとまず感じられたのがミルクの味、そしてほんのりハチミツの味。これは日本人の味覚で普通に美味しい味わい。でも、あれ?ライムと緑茶はどこ行った?なんて思っていたら、しばらく口の中であじわっているうちに、その中からそれらしき部分が出てきた。


ちなみにハンガリーでも「ネグロ」(Negro)という名のキャンディーがあって、私もちょくちょく買ったりお土産にしたりしているのだけど、どうやらこれとはまったくの別物の様子。 でも本当に関係がないのか、そのへんもとっても気になるところである。

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