ドナウの東か、遥かもっと東から

2016年7月末よりハンガリーのブダペストで生活し、2019年8月末より東京へ。毎日が新しい発見の連続です。

2018年10月

ボケーっとテレビを観ていたら、ニュースでハンガリー南東部のベーケーシュチャバ(Békéscsaba)という街でソーセージ祭りが開催されていることを知った。ルーマニアとの国境も近いこの街は、ソーセージ(ハンガリー語では「コルバース kolbász」)が名産だ。
というわけで、友人を誘って最終日に車で3時間近くかけて「チャバイ・コルバースフェスティヴァール(Csabai Kolbászfesztivál)」の会場に到着。

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入口でチケットを購入し、リストバンドを付けてもらっていざ会場内へ。屋外にはほかのハンガリーのお祭りと同様、民芸品や食品などの屋台が並んでいた。


そして、プログラムの中でも気になっていた豚の解体(disznóvágás)のデモンストレーションを見学。さすがに食肉にする直前の段階から始まり、職人たちの洗練された手さばきが見事だった。途中、自家製のサラミが観客全員にふるまわれた。

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これが今まで食べたことのない美味しさ! 辛パプリカの風味がしっかり効いていた。


続いて、自家製パーリンカも。作業においてこのアルコール度数の高い蒸留酒はとても重要な役割を果たすのだそうだ。

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「豚の爪に注いで飲むと美味しい」とのこと。ちょっと癖のある風味が加わったが、パーリンカそのものはきりりと辛くて美味しかった。


見学を終えて、大きなテントの中へ。ここではソーセージ作りのコンテストが開催されていた。

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ステージの陽気な音楽のテンポに合わせて、それぞれのグループがみんな楽しそうに大量のソーセージを作っていた。


ここで近隣のサルヴァシュ(Szarvas)の地ビールの屋台を発見。お祭り限定のリユースカップに注いでもらった。

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このカップ、カラフルなデザインがとってもかわいい。


そして、ランチには名物のソーセージに加え、「ツィガーンカ(cigánka)」という肉団子やトーチュニ(tócsni)などを。

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ツィガーンカは、パプリカソーセージとレバーソーセージの材料で作った肉団子で、この地方の名物料理とのこと。

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中身はぎっしりこんな感じ。ハンガリーに2年ちょっと住んでいながら初めてだった。レバーが苦手な方にはオススメできないが、なかなか食べ応えのある一品だった。
そして、何よりソーセージも絶品! あまりに美味しかったので、別のテントのお店でお土産に買って帰った。


ふと見上げると、テント内にはソーセージを模したデコレーションも。

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外に出ると、ハンガリー名物のキャベツ料理「テルテット・カーポスタ(töltött káposzta)」のコンテスト。

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こちらでもステージの陽気な音楽に合わせて、みんな楽しそうに作っていた。


わざわざここまで足を運んだ甲斐があったとつくづく実感するほど、ハンガリーの地方の食文化について少しでも体験することができて、とても充実した時間となった。来年もまたこの時期に開催されるとのこと。今から楽しみだ。

実は2016年の7月日本を発つ直前のタイミングから、スマホゲーム「ポケモンGO(Pokémon GO)」を始めて以来細々と続けていた。リリースから2年とちょっと経ち、日本の友人たちはすでに随分前に飽きてしまってプレイしていないようなのだけど、ブダペストではプレイヤーもといトレーナーの友人と知り合うことができて、最近また楽しくなっている。特にドナウ川の東のペシュト側を含め、主要観光スポットに数多くの「ポケスポット」「ジム」が点在しているので、観光客にとっても楽しめることだろう。

10月21日はゲーム内で「コミュニティ・デイ」という特定のポケモンが大量発生するイベントがあり、開催時間内には市民公園(Városliget)にトレーナーたちが集まるという噂を聞きつけ、友人に声をかけて足を運んでみた。英雄広場(Hősök tere)の後ろにある広大な公園で、一部では「ブダペストのポケモンGOの聖地」とも言われている。

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公園に着くと、さっそく同じ目的と思われる人々に遭遇。それでもヴァイダフニャド城(Vajdahunyad vára)のあたりは普通の観光客も混在していて、「どうしてこの人たちスマホ画面を見ながらずっと操作しているのかしら?」と不思議そうな目で見られた(ような気がした)りもした。


人とぶつからないよう、石畳に足を取られて転ばないよう、黙々とポケモン(※この日の主役は「ダンバル」)を捕まえる。黙々と。

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少し離れたところまで歩くと観光客はほとんど皆無となり、辺り一帯ポケモンGOトレーナーのみとなった。まさしく聖地

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ちなみに自分も含めてなのだが、ポケモンGOトレーナーには以下の共通した外見特徴がある。

 1. 靴はスニーカー
 2. 両手が空くリュックまたはポシェットを装着
 3. 上着は黒など暗い色
 4. スマホに充電ケーブルを繋いでいる

うち、1と2はほぼ100パーセントに共通しているのではないかと思われる。 そしてよく見ると、ほとんどがグループで行動している一方、単独で行動している人もいる。あ、何より共通しているのは、みんな真剣な表情で取り組んでいる、ということだ。私も含めて。


私も最初は2人で行動していたのが、途中で友人と合流して4人となり、友人が友人を呼んで最終的には13人となり、みんなで「レイドバトル」にも参加。見渡すと同じようなグループばかりで、この街で「ポケモンGO(Pokémon GO)」がどれだけ親しまれているのかを、つくづく痛感した。
何よりこうして英語とハンガリー語の練習にもなるのが、とっても嬉しい。

実は金曜日に約1年ぶりにハンガリー北東部のワインの名産地トカイ(Tokaj)まで行き、白ワインのテイスティングを楽しむとともにお土産用にボトルをたくさん買い込んできた。駅前にあるワインセラー「ボルカタコンバ(Borkatakomba)」では持参したペットボトルに量り売りもしてもらった。

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こういう買い方って好きなのだ。で、その話は改めていつか「本宮じゅんの欧州美食探訪記」にでも掲載しようと思っている(※時期は未定)。


翌日は、もうすぐ日本に帰ってしまう友人のブダペストでの最後のお祝い会として、自宅に招いてちょっとしたホームパーティーを開いた。先ほどのワインをふるまおうとしたら、別の友人がブダペスト近郊エチェク(Etyek)で購入した白ワインも持ってきてくれたし、主役の友人はオーストリアで購入した白ワインを持ってきてくれたしで、すっかり白ワインパーティーに。

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用意したのは、野菜スティックのほかに鶏ムネ肉の唐揚げと、

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ソース焼きそば

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鶏ムネ肉の唐揚げには、黄色のズッキーニの素揚げを添えた。温野菜って素揚げにするとさらに美味しくなる。焼きそばの麺はパスタを重曹と塩とたっぷりのお湯で茹でて、中華麺風に。ソースやかつおぶし、青海苔を惜しみなくトッピングした。以外にもこれらが白ワインにぴったり。どんどん進んでしまった。飲んだ飲んだ。


デザートは友人がエチェクのワインとともに持ってきてくれたチョコレートケーキ

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これがしっかり濃厚、かつ上品な甘みでとっても美味しかった。いつもの仲間だからって、部屋の片付けもそこそこだったし、料理もついつい手抜き目にしてしまったのだけど、このデザートで一気に華やいだ感じがした。ありがとう。
 

数日後に主役の友人から帰国報告のメールが入った。なんだか全然実感なくて、「また再来週あたりに!」なんて返信しそうになってしまったのだけど、たぶん次に会えるのは半年後くらいだろうか。そしてたぶん、時間はあっという間に過ぎて気づくとその頃になっているんだろうな。

Twitterで知り合った中欧旅行中の友人とともに、ブダペストのフォアグラの名店「コム・シェ・ソワ(Comme Chez Soi)」に行ってきた。



だいぶ前から予約していたとはいえ、小さな店内は相変わらず大混雑。そして各テーブルでは相変わらず、ゴージャスな料理が届くたびに歓声が上がる。


ほどなくして楽しみにしていたフォアグラのグリルが到着した。フライパンごとまるまるやってきて、6,900フォリント (約2,800円)だ。

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リンゴのグリルとマッシュポテトを添えて。濃厚なフォアグラに甘いリンゴ、そしてそれを受け止めるかのようなマッシュポテトとが絶妙なハーモニーを奏でる。

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せっかくなので、フォアグラに合わせて甘口のトカイワインをグラスで。

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なんだかんだでこのお店には約半年ぶりの訪問。その濃厚な旨みを、舌にしっかりと記憶させた。旅行や出張などでブダペストを訪れる方に、全力でオススメしたいお店である。



【本宮じゅんの欧州美食探訪記】ブダペストで絶品フォアグラ「コム・シェ・ソワ」(Comme Chez Soi)

ブダペストの壁画シリーズ(vol.1はこちら vol.2はこちら  vol.3はこちら  vol.4はこちら vol.5はこちら vol.6はこちら vol.7はこちら vol.8はこちら vol.9はこちら 番外編はこちら vol.10はこちら、番外編を除くと今回で11回目


ブダ側のトラム4番・6番のセーナ広場(Széna tér)から少し歩いたところに、カラフルな壁画を発見した。

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スペイン出身のアーティスト、ルーベン・サンチェス氏(Ruben Sanchez)が手がけた作品で、“Színes Város”(カラフルな街)という作品とのことだ。かわいらしい色調に心が癒された。


まだまだ未発見の壁画がどこかにあるかもしれないので、引き続き探索が楽しみだ。

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