ドナウの東か、遥かもっと東から

2016年7月末よりハンガリーのブダペストで生活し、2019年8月末より東京へ。毎日が新しい発見の連続です。

2018年03月

イースター休暇の2日目は、ブダペストの東端にある動物保護施設「NOÉ állatotthon alapítvány」を訪れた。「NOÉ」とは「ノアの方舟」の「ノア」のことのようだ。この日は子供向けのイベントも開催されていて、到着した時点では既に駐車場はいっぱいだった。

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10分ほど歩いてやっと入口にたどり着いた。

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ちょうどウサギさんたちがお食事中。

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施設内にはさまざまな事情により保護された犬や猫のコーナーのほか、ヤギや豚、羊、馬、鳥などがのびのびと過ごしている広々とした敷地もあった。怪我をして治療中の動物もいた。里親も募集しているとのことだ。

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中に入って動物たちに直接触れ合えるコーナーも。

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くるくると螺旋状のツノが特徴の、ハンガリー固有種のラツカ羊(racka juh)もお出迎え。とても人懐っこかった。

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募金箱だけでなく、ドッグフードといった現物でも寄付できる。

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私はグッズコーナーで同施設のロゴが入った七分丈のシャツを買った。

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これからの季節にもちょうど良さそうだし、これを着て街を歩くことで施設の認知度向上に少しでも貢献していきたいと思った。

去年からハンガリーは聖大金曜日(Nagypéntek)というイースター前の金曜日がお休みとなって、3月30日(金)、31日(土)、4月1日(日)、2日(月)がなんと4連休

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ハンガリー人の友人たちからいただいた飾りで、イースターらしくしてみた。かわいいウサギさんとタマゴがいっぱい。


私自身は無宗教なので、こうしたキリスト教の習慣に馴染みがないのだけど、文化・伝統としてとても興味深いと思う。お休みが明けたら、友人たちに今年のイースターをどのように過ごしたのか聞いてみるとしよう。

トラム17番に乗って友人宅に向かおうとしたら、ものすごく古い検札機を発見。私自身は1ヶ月定期券を持っているので、検札機はあまり馴染みがなかったのだけど、一緒にいた友人が回数券で乗っていて、検札機に差し込んでヴァリデーションしたら、

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乗車日時や車輌が印字されるのではなく、1と3と9の部分にガチャンと穴が開けられた。どうしてその3つの数字なのかは謎のまま。


車体もなかなかの旧式。

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ブダペストのトラムは路線によって運行車輌も違うので、近いうちに自分の思考の整理も兼ねて体系化してみたいと思う。


ちなみにTwitterでもつぶやいた通り、この日は乗っている間に突然乗客の一部がグループコーラスを始めてビックリした。
その正体がブダペスト中で行われているサプライズ企画だということが、すぐにわかってよかったのだが、そうわかるまでは何かの新興宗教の勧誘かと思い、本当にどうしようかと戸惑った。


普段足を運ばない地域に出かけると、いろいろと新しい発見があって面白い。
 

24日の土曜日は、すっかりマイブーム(※死語)のメドヴェハジマ(medvehagyma)を使った料理などで、友人たちを招待してホームパーティーを開くことにした。
気合いを入れて、メニューボードも作成。ワインやチョコレートは友人たちからの嬉しい差し入れ。1人はなんとスロヴァキアから戻ってきたばかりなので、スロヴァキアのワインも愉しむことができた。

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まずは、前菜。こちらはジュラ(Gyula)というハンガリー南東部の町名産の鹿のサラミを中心に、オリーブ、カボチャオイルで軽く味付けたトマトとモッツァレラ、ビーツなどをワンプレート盛り付けた。飾りで添えたバジルは、キッチンで育てている自家製のもの。

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そして、サラダはタマゴサラダに森からやってきたメドヴェハジマを生のまま細かく刻んでトッピング。
 
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ついつい出来心で、オリーブとトマトで顔にしてしまった。口がちょっと変な感じかな。


メインその1は、メドヴェハジマのペーストで仕上げたチキン。

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あらかじめ鶏のもも肉をペーストに漬けて、1時間以上冷蔵庫で放置。取り出したらフライパンの上で皮から普通に焼いて、ある程度火が通ったらテイフェル(Tejföl)というサワークリームのような乳製品を適量加えてクリームソースにして仕上げる。さらに盛り付け時にもテイフェルを大さじ1杯トッピング。メドヴェハジマの苦味が程よくマイルドになって、なかなか大好評だった。ちなみに残ったソースに茹でだパスタを絡めてみたところ、こちらも絶品。


もう1つのメインは、魚介のパエリア

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その日の朝、「ブダエルシ・ハルピアツ(Budaörsi Halpiac)」で買い付けた新鮮な海老とイカとともに炊き上げた。イカはワタの部分も入れたので、旨味が全体に広がった。写真では見えづらくなっているのだけど、ほかにも冷凍シーフードミックスやマッシュルームも加えている。途中マヨネーズを付けたりしたら、酸味が加わってさらに美味しくなった。


「遅めのランチ」の予定だったのが、結局ワインも進み、トークも弾み、最後の方はDVD鑑賞会になり、気づくと夜の23時近く。友人たちを見送り、食器類を全て食器洗い機にセットして、ふっとひと息ついてソファに横たわっていたら、そのまま朝になっていた。そして、ハンガリーでもサマータイムが始まっていた。午前1時59分から3時になる瞬間、すっかり見逃してしまったんだよね。


 

いよいよハンガリーも春。ブダペスト市内の市場にも、「熊のニンニク」こと「メドヴェハジマ(medvehagyma)」が並ぶようになってきた。
ペーストにするとジェノベーゼソースのようにいろいろな料理に活用できるとのことなので、さっそく作成。


◆材料◆

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1. メドヴェハジマ:200g

2. 松の実:20g

3. ニンニク:1かけ

4. パルメザンチーズ:40g

5. 塩:小さじ2杯

6. オリーブオイル:適量
 

◆下ごしらえ◆ 
1. メドヴェハジマは洗って水気をキッチンペーパーなどで拭き取り、1cm幅に切っておく。

2. ニンニクをみじん切りにする。


◆作り方◆
1. フードプロセッサーの中にメドヴェハジマを4分の1ほど入れ、オリーブオイルをひと回し注ぎ入れ、スイッチを入れて細かく刻む。
 
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2. 1を4回繰り返す。滑らかさが足りなかったら、オリーブオイルを適宜加える。

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3. 全体が細かくなったら、松の実、ニンニク、パルメザンチーズ、塩を少しずつ加えて刻んで、を繰り返す。この際も滑らかさが足りなかったら、オリーブオイルを適宜加える。ペーストらしくなったら出来上がり。

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完成したら、煮沸消毒した瓶に入れ、上からさらにオリーブオイルを注ぎ入れて蓋をして保存。松の実とパルメザンチーズで若干マイルドになっているが、それでも本来の辛味はしっかり残っている。そのまま茹でたパスタに和えるだけでも充分美味しいし、鶏肉のモモ肉をペーストに漬け込んで、マッシュルームなどと一緒にフライパンで焼き、サワークリームでまとめても美味しい。そしてその残ったクリームソースをパスタに和えても美味しい。火を通しても通さなくても、とにかく美味しい。

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この春は市場に出回っているうちにいっぱい買い込んで、大量生産する予定。すでに第一弾がもうすぐ無くなりそうなので、どれだけあっても足りないかもしれない。

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