ドナウの東か、遥かもっと東から

2016年7月末よりハンガリーのブダペストで生活し、2019年8月末より東京へ。毎日が新しい発見の連続です。

2018年02月

ブダペストのブダ側には、「子ども鉄道(Gyeremekvasút)」と呼ばれる国営鉄道に属する路線がある。かつての「ピオネール」の名残りとのことで、10〜14歳の子どもたちが大人の監督のもと、切符売場や検札業務などに実際携わっている。その「子ども鉄道」に2月24日と25日の2日間、レゴ(LEGO)とのコラボ電車が走ると聞きつけた。ちなみにレゴ(LEGO)はハンガリー東部のニーレジハーザ(Nyíregyháza)に工場があり、ブダペスト市内でもいたるところでショップを見かける。ハンガリーの子どもたちにも大人気のようだ。
とうわけで、終始点であるセーチェニ山駅(Szécheny-hegy)まで足を運んできた。


山の上の方はさらに雪が積もっていて、ソリ遊びを楽しんでいる子どもたちも多かった。そして駅に着くと、プラットフォームはすでに小さな子どもたちを連れた家族で大混雑。駅舎にはレゴ関連グッズの販売コーナーやレゴで作られた線路や駅の展示もあって、大賑わいだった。切符を買おうとしたのだけど売場は無人だし、駅員を探そうにもとにかく人が多かったので、どうしたものかとウロウロしていたところ、

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先頭車両が赤、青、黄色、緑、白とカラフルなレゴのブロック(のようなもの)でできた電車がやってきた。プラットフォームに近づいてきた瞬間から、みんなキャーキャーはしゃいでいた。私も。


本当はちょっと乗ってみたかったのだけど、1両しか連結していないようだったし、ここは子どもたちが優先かなって思って駅を後にした。
でも、ちょっとだけ子どもの頃に戻れたような、ワクワクしたひと時だった。

ベルリンからブダペストに戻るべく、シェーネフェルト空港(Flughafen Berlin-Schönefeld)へ。免税店でお土産を調達した後、プライオリティ・パス(Priority Pass)で利用できるラウンジ「GREEN WINGS LOUNGE」で搭乗時刻までの時間を過ごした。

ラウンジの入口はちょっとわかりにくかったのだが、「Lounge」の表示を追っているうちにこのドアにたどり着いた。

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あまりに普通の佇まいだったので戸惑ったが、このドアを開けた先を進むと、確かにラウンジがあった。

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ソファー席が中心で、ゆったりした空間。

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ドリンク・フードともに他のラウンジと比較したらそれほど充実しているとは言えなかったが、おつまみコーナーにポテトサラダのパックもあった。これがまたビールにぴったりなんだよね。


そういえば、プライオリティ・パス(Priority Pass)の有効期間はあと2ヶ月。もしかしたら同カードで利用する空港ラウンジはこれが最後かもしれない、と考えるとさすがにちょっと寂しくなってきた。

ブダペスト・リスト・フェレンツ国際空港からベルリンへと飛び立つ前に、搭乗時刻までをラウンジ「MENZIES AVIATION LOUNGE」で過ごすことにした。同空港内でプライオリティ・パス(Priority Pass)で利用できるラウンジは2018年2月現在4ヶ所あるのだが、このラウンジは初めて。探してみたところ、いつもよく利用している「SKY COURT LOUNGE」の左隣にあった。

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中はこぢんまりとしているが、テーブル席の椅子もゆったりしていて居心地良い雰囲気。

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そして、窓からは展望テラスの向こうに飛行場が見える。こちらのカウンター席からだと飛行機の機体を間近に感じることができる。

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バーカウンターより白ワインと、日本でも販売が再開されたミューズリーバー「cerbona」のココナッツ味を持ってきた。飲み物はほかにもビールや各種ワインにソフトドリンク、コーヒーやお茶など。フードはハンガリー名物ポガーチャ(pogácsa)やシリアルや粉末スープなどもあり、小腹を満たすのには充分だ。

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ちなみにもう少ししっかり食べたい方は、追加料金でレストランメニューも注文できる。隣のテーブルのビジネスパーソンとおぼしき女性が美味しそうなパスタを注文していて、その美味しそうな匂いに包まれながら、ついつい白ワインをお代わりしてしまった。


平日の午後という時間帯だったかもしれないが、割と空いていて良かった。搭乗時刻までの待ち時間、飛行場や飛行機を眺めながら、ゆっくりと過ごしたい方にはオススメだ。

今回のベルリン行きで出会った、「バディーベア(Buddy Bear)」たち。


まずは、オストクロイツ駅(Ostkreuz)の出入口付近にて。

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さまざまな絵画がペイントされていて、なかなかの芸術性を感じた。両足とも線路に乗っているのは、駅だからかな。
 

続いて、地下鉄のアレクサンダー広場駅(Alexanderplatz)の連絡通路にて。

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こちらは地下鉄の路線図がペイントされていて、割とシンプルだ。


この後ベルリン大聖堂(Berliner Dom)に向かう途中、カール・リープクネヒト通り(Karl-Liebknecht-Straße)沿いのお土産物屋さんでも発見。

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アテネオリンピックの銅メダリストなのかな。


最後にブダペストに帰る途中、シェーネフェルト空港(Flughafen Schönefeld)にて。

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絵画とベルリンの名所(?)が混じりあったデザイン。ちょっとわかりにくいところにあったから、見つけられて嬉しかった。


バディーベアたちは、恵まれない子どもたちのためのチャリティー活動の一環とのこと。そういえば昔、六本木ヒルズでもイベントやっていたのを思い出して調べてみたら、2005年のことだった。
あれからもう、13年近く経っているのね。

「カリーヴルスト博物館(Deutsches Currywurst Museum)」は、チェックポイント・チャーリー(Checkpoint Charlie)の近くにあった。ベルリンが東西に分断されていた時代の国境検問所だ。かつて旧ソ連によって統治されていた地区にいたということで、プラカードの向こうがアメリカ統治地区となる。

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当時の国境検問所が再現されていた。その向こうにすぐにマクドナルドがあるのがわかりやすい。

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反対側からの眺め。アメリカ統治地区を出ますよ」と書いてある。

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その向こうの景色は、壁崩壊後の約30年ですっかり変わったのだろう。


付近にはベルリンの壁など当時の展示が設置されていた。

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シュタットミッテ駅(Stadtmitte)より地下鉄に乗り、アレクサンダー広場駅(Alexanderplatz)で下車。駅の周りは新しい建物が増えてあやうく迷いそうになってしまったが、テレビ塔(Berliner Fernsehturm)マリエン教会(St. Marien Kirche)が並ぶ景色は初めて訪れた頃のままだった。

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この教会は森鴎外の「舞姫」の舞台にもなった。主人公の太田豊太郎が踊り子エリスと出会った場所だ。そのことを思い出し、昔の恋を思い出し、ちょっとだけ切ない気分になってしまった。


てくてく歩いてシュプレー川(Spree)を越え、旧美術館(Altes Museum)に到着。

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そしてその隣には、ベルリン大聖堂(Berliner Dom)が堂々とした風格を持って佇んでいた。

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その年、私は夏の1ヶ月間ボン大学のサマーコースに参加していた。コースを終えて、当初はミュンヘンを経てフランクフルト国際空港へと向かうつもりだったのだが、思うことあって予定を変更し、ベルリンへと向かった。まだ復興途中の街の東側は、それまで見てきた他のドイツの都市と全くといってもいいほど違う印象で、旧東ドイツの雰囲気を色濃く残していた。
そんな中街を歩いている途中、このベルリン大聖堂にたどり着いた時、あまりのスケールの大きさと荘厳な建築にとにかく圧倒された。あの瞬間の衝撃は、今でも鮮明に憶えている。


帰国後に大学の交換留学制度を調べて準備を開始し、その次の年にライプツィヒ大学への交換留学を決めた。留学から戻った後は紆余曲折あったのだが、さらに東のハンガリーとはいえ、結果的にまた中東欧の地にて生活することになった。そう考えると、もしかしたらあの瞬間が人生のターニングポイントなっていたのかもしれない、という気がしてきた。


これから先の人生も、まだまだ紆余曲折は続くのだろう。けれども道は1本のみ。後悔することのないよう突き進んでいこう、そう心に決めた。

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