ドナウの東か、遥かもっと東から

2016年7月末よりハンガリーのブダペストで生活し、2019年8月末より東京へ。毎日が新しい発見の連続です。

2017年04月

ほとんど自分用のお土産として、クルージュ=ナポカ(Cluj-Napoca)のスーパーで買い込んだのがこちらの品々。


左から、
・ルーマニアのビールTimișoreana
・ルーマニアのビール「Ciuc」
・ルーマニアの赤ワイン
・ルーマニアのミネラルウォーター「BORSEC」の炭酸有り 500ml
・ルーマニアのミネラルウォーター「BORSEC」の炭酸無し 2L


「BORSEC」は「水の女王」とも呼ばれて、日本でも通販で販売されているようだ。値段ははるかに高いけれども。確かに美味しくて滞在中ずっと飲んでいたところ、体調も良くなったような気がしていた。


あとは、「ジェロヴィタール(GEROVITAL)」のシャンプーとヘアマスク。


このブランドは、かつて政権を握っていたチャウシェスク氏の妻エレナ夫人が命じたアンチエイジングプロジェクトによるアンチエイジングクリームが有名だ。


狙っていたわけではないのに、結局液体ばかりになってしまい、さすがに重かった。
で、頑張ってブダペストの自宅まで持ち帰ったものの、翌日「BORSEC」は近くのスーパーでも売っていたことに気付いてしまった。値段はブダペストの方が若干高いくらいだが、それでも日本よりは断然安い。


というわけで、ルーマニアから帰ってきてからもずっとルーマニアの水を飲んでいる。

ルーマニア全域でどうなのかはわからないけれど、ミエルクレア=チュクでもクルージュ=ナポカでも、ショーケースの隣にある小さな窓で買うスタイルのパン屋さんをよく見かけた。


例えば、クルージュ=ナポカで立ち寄ったパン屋さんはこんな感じ。


ドアのようになっているので全部開くのだろうけど、小さな窓だけ開けてやり取りするのがとっても不思議だ。


ちなみにこのパン屋さんは、中心部のレジェレ・フェルディナンド通り(Strada Regele Ferdinand)沿いにあり、ショーケースに面白い形のパンが並んでいるのを見て立ち寄った。気さくな男性スタッフが英語で丁寧に接客してくれた。このパンは「Rulou」といい、ルーマニア固有のものなのかどうかはわからなかった。ウインナーやハムなどいくつかのバリエーション中から、ハムとチーズ入りのを選んだ。手に持った瞬間とても温かかった。





元々電車の中で食べる予定だったので、数時間後やっぱりすっかり冷めてしまっていたのだが、ほんのり甘い柔らかい生地と具材との相性が抜群だった。「Rulou」というのは「ロール」の意味で、その名の通り、くるくる巻いた生地の中にハムとチーズも巻き込まれていた。
 

下の写真はクルージュ=ナポカで見かけた別のパン屋さん。店名からしてもこちらで売っているのはルーマニアの伝統的なパンのようだ。



やはり小さい窓だけがパカっと開くスタイル。
衛生面上の理由なのだろうか。見ていてとても興味深い。

クルージュ=ナポカ(Cluj-Napoca)の2日目のランチに、トリップアドバイザーで気になっていた「Matei Corvin」に向かった。


そしたらなんと、前日に行った「Bistro Viena」の隣りだった。 日曜日は休みだったので、気づかなかったのだ。


開店まもない中、奥の席へ。さっそくルーマニアビール「URSUS」を注文。




とても落ち着いた雰囲気の店内で、夜も来たい感じだった。




今回の滞在でなんとしても食べたかったルーマニア料理「サルマーレ(Sarmale)」を注文。酢キャベツで挽き肉などを包んで煮込んだ、いわばルーマニア料理のロールキャベツだ。
最初ひとり1皿ずつ注文したのだが、後で女性スタッフがやってきて、「量が多いから、1皿だけ注文して半分ずつシェアして、もし足りなかったらまた注文してみたら?」と英語で提案されたので、彼女に従ったところ、


半分でもそれなりのボリュームでやってきた。ママリガ(mămăligă)もたっぷり。分厚いハムも付いていたので、さすがにこの倍の量をひとりで食べることができたとしても、その後確実に胃もたれしていたかもしれない。おかげでじっくり美味しさを味わうことができた。


ひとり1皿で合計2皿注文された方が、お店にとってはその分売上も(たぶん利益も)プラスになったはずなのに、スタッフの方からそう提案してくれたなんて、真のサービスというのは何か考えさせられた。美味しさもさることながら、その心遣いに感激した。


メニューには他にもルーマニア料理が盛りだくさん。
クルージュ=ナポカを訪れる際、ルーマニア料理を食べたくなったら、ぜひこのレストランをオススメしたい。
(※でも日曜日はおやすみなので注意!)


「Matei Corvin」
所:Strada Matei Corvin 3, Cluj-Napoca 400112, Romania
TEL:+40-264-597-496

ミエルクレア=チュク(Miercurea Ciuc)2日目のランチタイム。
せっかくだからルーマニア料理を食べたいのに、ネットで検索してもピザのお店が多くてなかなかぴんと来るお店が見つからないので、中心部をうろうろ歩いていたところ、地元の人と思しき若い男女の団体が入っていったレストラン「meteor」を見つけた。

 

ちょっとだけ時間差を付けて中に入ると、向かって右側奥の半個室で何やらパーティーを開いてたようで、お店中にBGMが鳴り響いていたのだけど、 それ以外は普通に利用できるようで、入口近くのテーブルに案内された。


メニューはハンガリー語、ルーマニア語、英語の3ヶ国語表記だったので、なんとか理解することができた。とりあえず、「Igazi Csíki Sör」を注文。


・・・と思ったら、「Csíki」の上に「TILTOTT(※ハンガリー語で『禁止された』)」のロゴが付いたラベルの瓶が来た。どうやら商標に関して、「Ciuc」という名のビールブランドを持つハイネケンに訴えられた結果こうなったらしい(※その後和解したようで、「Igazi(※ハンガリー語で『正しい』)」の部分が小さくなったデザインに変更されている)。


ほどなくして、野菜のスープが到着。女性スタッフが透明な大きな鍋を持ってきて、そこからサーブされた。


体の芯から温まるような美味しさ。


メインには、「トランシルヴァニアのロースト(Erdélyi pecsenye)」という、間違いなくルーマニア料理と思われるものを注文したところ、その女性スタッフにハンガリー語でおそらく付け合わせについて「ママなんとか」でいいか聞かれたのだけど、何のことだか全然わからなかったので、彼女に任せることにした。そしたら、



すごいのがやってきた。
この中央の黄色いドーム状になっているのが「ママリガ(mămăligă)」といって、トウモロコシの粉でできた主食の役割のものらしい。


てっぺんには目玉焼きが乗っていた。この目玉焼きと、ママリガと、まわりに敷き詰められたジューシーかつスパイシーなソーセージのローストとチーズとを絡めていただく。ママリガそのものは、クリーミーー感はほとんどなく見た目よりもずっとあっさりしていたので、脂っこいソーセージとチーズが良いアクセントとなった。


料理も美味しかったし、女性スタッフのサービスもとても温かかったので、拙いハンガリー語で今日の夜も空いているかを聞いたら、「ぜひいらっしゃい」とまた温かく答えてくれた。


というわけで、夜もまた来た。今度は今回の滞在の同行者と2人で。私はこの県の名前を冠した「Harghita」


同行者は「SZÉKELY SÖR」を注文して乾杯。


デザインがほぼ同じと思っていたら、それもそのはず「Igazi Csíki Sör」と同じメーカーだった。ちなみに「Harghita」の方は「Ciuc」と同じハイネケン。


お昼食べ過ぎたので、サラダとルーマニア名物「ミティテイ(mititei)」を2本だけ注文。これはバルカン料理の「チェヴァプチチ(ćevapčići)」に近い挽き肉の皮なしソーセージ。


肉汁たっぷりジューシーで、マスタードとの相性もぴったりだった。もっと食べたかったけど、カロリーを考慮してガマン、ガマン。


ところで夜またお店に入る時に、外で遊んでいる子供たちがお昼にもいたような気がしていたのだけど、やはりお店の奥でまだパーティーは続いていた。陽気な音楽とダンスが繰り返されていて、ハンガリー語飛び交っていたので、おそらくここに住むハンガリー人なのだろう。てっきり結婚式の二次会かなんかかと思っていたのだけど、こちらから聞くまでもなく、「洗礼を終えた赤ちゃんのお祝いパーティーよ」と女性スタッフがハンガリー語で教えてくれた。
そのうち若い男性が私たちのテーブルにやってきて、英語で「息子の洗礼パーティーなので、あなたたちにもぜひ切り分けたお祝いケーキを食べてほしい」と言ったその数分前に大きなケーキがパーティーのテーブルに運ばれて、歓声が上がって写真大会になっていたのが見えていた。
お断りする間もなく、女性スタッフが持ってきてくれた。


お腹はいっぱいだったものの、せっかくなので一口運ぶと、甘さ控えめでびっくりするくらい美味しかった。結局完食。


帰りがけに赤ちゃんの父親およびテーブルの皆さんにハンガリー語でお礼を伝えた。祝福ムードをすっかりおすそ分けさせてもらった。
女性スタッフにもお礼を伝えた。「またこの街に来ることがあったら、ぜひこのレストランにいらっしゃい」のようなことを言われた。


だから、またこの街に来る理由ができた。幸せいっぱい胸に抱えて、ホテルへと戻った。


「meteor」
所:Strada Gál Sándor 16/A, Miercurea Ciuc. Romania
TEL:+40-744-372-607

14時44分発のクルージュ=ナポカ(Cluj-Napoca)発ブダペスト東駅行きの電車に乗るべく、駅に到着。



改めてホームの向こうを見ると、おそらく既に現役ではないと思われる車両が目に入った。写真には収まっていないが、結構長い。本当は中に入って見たいのだが、この距離で見ても老朽化が激しそうだ。


結局電車は遅れてやってきて、乗り込んだ後もなかなか出発せず、約1時間後にやっと動き出した。ブダペストには21時20分に着く予定だったのだが、このままだと22時半頃になってしまう見込みだ。ルーマニアはハンガリーより1時間早いので、駅に到着した時点から換算すると、9時間近くの旅程になってしまうことになった。


その上、ルーマニア国内での電車の走行はとにかくゆっくりだった。山あいを走るのだから仕方ないのかもしれない。しかも、びっくりするくらい近くに馬や牛、羊の群れなど動物が見えた。電車にも慣れているのだろうか。そのためなのか、駅でもないなんでもないところで電車は何度も停まった。


それでも、車窓からの眺めは飽きなかった。例えば、フェディン(Huedin)という駅の近くで見てたこの景色。


何層もある屋根を持つ大きな豪邸のような建築物が密集している。


屋根の形はどこかしら中国や日本の様式のようにも見える。が、後で調べてみたところ、このあたりに住む少数民族の屋敷らしい。富の象徴ということなのだろうか。


コロコロと丘の上から転がってきそうな羊の群れを眺めているのも心が和んだ。



なんだかんだでやっぱり1時間遅れでブダペスト東駅(Keleti pályaudvar)に到着。降りてみて、先頭車両が変わっていることに気付いた。



出発前にクルージュ=ナポカ駅で前の方の車両が連結されたような音が聞こえたのだけど、それがペーチ大学創立650周年記念車両だったということをホームに降りて初めて知った。


まさかお目にかかれるなんて思ってもいなかったから、めちゃくちゃ感激だった。


ともあれ、遅延以外には特に大きなトラブルもなくブダペストに帰還。長時間の電車の移動ですっかりお尻が痛くなっていたが、ホームに降り立つとそれも吹っ飛んだ。

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