ドナウの東か、遥かもっと東から

2016年7月末よりハンガリーのブダペストで生活し、2019年8月末より東京へ。毎日が新しい発見の連続です。

2016年12月

クリスマス当日・・・というより、その前日のお昼過ぎからずっと家にこもっていたのでまったくもって影響がなかったのだが、外の世界では24日の16時くらいから地下鉄をはじめとした公共交通機関も止まり、一気にクリスマス休暇モードに入って街はとても静かになっていたそうだ。


東京にいた頃はこの時期街が一番賑やかになるくらいだったのに、随分と対照的だ。そして25日が終わるとクリスマスの装飾は全て撤去されて、一気に年末年始モードになる。そんなどこか切ないくらいの潔さを思い出していた。


26日ともなれば、こちらもそんな感じになるかなと思い込んでいたところ、朝ラジオを付けるといつも通りのクリスマスソングのオンパレード
どうやら今日までが「クリスマス休暇」ということらしい。


風邪もだいぶ良くなってきたので、ちょっとだけお散歩。


 

アンドラーシ通り(Andrássy út)はほとんどのお店が閉まっていたけれど、人通りも車通りもいつも通りだった。つまり、相変わらず観光客のとおぼしき人々が多かった。


聖イシュトヴァーン大聖堂へ。クリスマスマーケットも開催されていた。
 


歩いていて、すれ違う人々の会話に日本語がよく聞こえてくることに気づいた。三連休もあったし、12月も最後の週となって年末年始休みに入る人々も多かったのかな。いろいろな方言も聞こえるのが、ちょっとだけ新鮮だった。


今年もあと少しという実感はまだなかなかわいてこない。

クリスマス当日、はからずも風邪を引き込んでしまっていた。
正確にいうと、ケチケメート(Kecskemét)に行く前くらいから悪寒嫌な予感はしていた。それから1日中くしゃみが止まらない日があった。氷点下の外気温にもすっかり慣れたつもりでいたものの、体がSOSを発していたようだった。だんだん喉と頭が痛くなり、ベッドに同化するように倒れこんでしまっていた。


というわけで、正午近くまで寝込んでいたのだけど、それでも年に一度の日、このまま台無しにしたくなかった。だってこの日はローストチキンを焼くって前々から決めていたのだもの。
気合いで起き上がり、キッチンに向かった。


東京ではひとり暮らしにも関わらず、2段式の電気オーブンレンジを持っていて、時間を見つけてはパンやケーキを作って焼いていた。食べることよりこうして何かを形に仕上げていくという工程がとても好きだった。そして、焼くだけで仕上げられる簡単なオーブン料理も作るようになっていた。狭い部屋でもちょくちょくホームパーティーを開いていた。


それなのにブダペストに引越してから、せっかく大きなガスオーブンが設置されているのに、これまで一度も使うことがなかった。忙しかったからとか、避けていたからとかそういうのではなく、ただなんとなくタイミングがなかったのだ。だから、クリスマスの日こそ使おうと決めていた。その決意は固かった。前日に体をふらふらさせながら中央市場まで行ってきて、丸鶏を買ってきた。


数々のレシピサイトを眺めながら、下ごしらえを済ませてオーブンの中に。焼いている間は、自分で作ったオーナメントやいただきものを集めて、それらしくテーブルをデコレーションした。



スロヴァキアのペジノク(Pezinok)で買ってきた白ワインを飲まながら、ゆっくりと焼き上がるのを待っていた。


美味しそうな香りに包まれて、それだけで幸せな気分に浸りながら無事に完成。



付け合わせに焼いたのは、マッシュルームとパプリカとニンジンとセロリ。写真にはうつっていないが、中にもぎっしり野菜を詰めている。後で天板に残った焦げの部分でソースも作ってみた。


しっかり中まで火が通っていたし、ローズマリーなどのハーブもほどよく効いていて、初めての割にはよくできたと思う。もちろん作っている工程も楽しくて、風邪を引いていることも忘れてしまったくらいだった。


結局作って食べて、ワインも飲んで、ソースを作りながら食べ残しをタッパーに詰めて、食器類を洗って、としているうちに睡魔が襲ってきて、またそのままベッドに同化。でもチキンにまぶしたハーブのおかげか達成感のおかげか、翌朝目が醒めるとケロリと治っていた。


来年は違うレシピで焼いてみるか、それともチキンでなくて七面鳥に挑戦してみるか、今からいろいろと計画を巡らせているのだけど、いずれにしても健康な体で過ごしたい。


まずはこの寒さと乾燥に慣れないと!

今年8月に初めて訪れて以来、すっかりおなじみとなったケチケメート(Kecskemét)
久しぶりに来てみたところ、街の中心でクリスマスマーケットが開催されていた。


 


夏に開催されたお祭り「Hirös 7」で、御神楽奉納が行われたステージが設置されていた場所には、今度はスケートリンクが設置されていた。




みんな楽しそうだ。


市役所の前には大きなクリスマスツリーアドベントキャンドル




「去年までは置いていなかった」と聞いたのが、こちらの「CIRCUS MECHANICUS」というコーナー。



「サーカス」がテーマになっていて、外にあるレバーを回すと中の人形たちが動く仕組みになっていた。



この人形は腕立て伏せのトレーニングをしていた。他にもなどサーカスにいそうな動物たちもいた。
さすがにこのコーナー、子供たちにも大人気な様子だ。


平日の昼間なので、人通りはまばらだったが、夜になるとライトアップでいっそう綺麗な景色になるものと思われる。
ただ、訪れた日はマイナス3度の気温からなかなか上がることがなく、長時間外にいるのはかなりきつかったので、途中で引き上げることとなった。


ホットワインとケチケメート名物のパーリンカ(Pálinka)でだいぶ持ちこたえたんだけどね。

アンドラーシ通り(Andrássy út)を歩いていたところ、途中で接しているヨーカイ広場(Jókai tér)でもクリスマスマーケットが開催されていた。


 

入口には2本の大きな赤いロウソク。てっきりオブジェかと思っていたら、なんと本物だった。柔らかい炎がとても温かい。


通路の真ん中にもロウソクのランプが並べられていた。



ヨーカイ広場」とカタカナで書くとなんだか「妖怪広場」みたいな響きになってしまうのだけど、おそらくハンガリー人作家の「ヨーカイ・モール(Jókai Mór)」という人名にちなんで名付けられたものと思われる。この近くには「ヨーカイ通り(Jókai utca)」もある。


本当にこじんまりとした規模だけど、優しい雰囲気の空間だった。

去年のちょうど今頃、まだ東京で暮らしていた頃に、友人からのプレゼントでホットワインの素をいただいていた。
室内にいる分には確かに暖かいのだけど、最近は晩酌に冷たいビールやワインよりは温かい飲み物がほしくなってきたので、ついに自分で作ってみた。




中には、砂糖の他にシナモンスティッククローブみかんの皮パイナップルダイスなどが入っていた。



やはり材料の配合が絶妙なのか、とても美味しく仕上がった。クリスマスマーケットで飲んだのと同じくらいのクオリティだった。




ちょうどドライカレー作りにハマりはじめたこともあり、ストックにもシナモンとクローブは常備していたし、あとは柑橘系 の材料だけ揃えられれば、これからも自分で作れるかもしれない。クリスマスマーケットで見かけるように、生のオレンジブルーベリーをたくさん入れてみたりして。
なんだかオリジナルのレシピを開発してみたくなってきた。

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