ルーマニアの国境にもセルビアの国境にも近い、ハンガリー南部の街セゲド(Szeged)。
もう10回近くは訪れていて、中心部は地図なしでも歩けるし、お気に入りのカフェや居酒屋もできたくらいなのだけど、いつも車に乗せてもらって来ていたので、駅を訪れたのは初めてだった。
今までハンガリー国内で訪れたことのある国鉄の駅では、どこも駅舎に入るとすぐホームだったのだけど、ここセゲド駅は駅舎に入ってから日本でいう2階に上ったところにホームがある。駅舎の入口とホームが違うフロアというのは、とっても新鮮だった。
駅舎の2階部分は、まるで大学の校舎のような雰囲気。
もしくは博物館や美術館といったところかな。
セゲドは1879年にティサ川(Tisza)の増水による大規模な洪水で、街全体が壊滅的な被害に見舞われたという悲しい歴史がある。その後ヨーロッパ諸国を中心に各国からの援助を受けた結果、無事に復興を果たすことができた。
駅が完成したのは1902年のことなので、万が一の水害に備え、線路もホームも高い位置に建設したのかもしれない。
今のセゲドの街の雰囲気もティサ川の流れもとても穏やかで、かつての被害の名残はどこにも見当たらないのだけど、こういうちょっとしたところにふと感じてしまったりする。