ドナウの東か、遥かもっと東から

2016年7月末よりハンガリーのブダペストで生活し、2019年8月末より東京へ。毎日が新しい発見の連続です。

2016年07月

この日セーチェニ鎖橋を渡りきって、クラーク・アーダーム広場(Clark Ádám térに到着。本当は丘の上までも16番のバスで行こうとしていたのだけど、こちらも通行止めのようなので、ケーブルカー「ブダヴァーリ・シクロー(Budavári Sikló)」で登ることに。





1860年に開通したこのケーブルカーは、丘までの31.75度の急勾配の斜面約100mをたった1分半ほどで登頂する。
3個のボックスが段々に連なった車両は、「ゲッレールト号(GELLÉRT)」「マルギット号(MARGIT)」の2つがあって、交互に登り降りしている。ちょうど来た「ゲッレールト号(GELLÉRT)」の方に乗り込んだ。




真ん中のボックスからの眺め。



一番下のボックスに乗った方が景色がはっきり見えるかも。
ドナウ川にかかるセーチェニ鎖橋の向こうに見える大きな建物は聖イシュトヴァーン大聖堂(Szent István-bazilika)だ。


ペシュト地区側の眺めを見ている間に、あっという間にてっぺんに到着。




天気も良いし、眺めは最高!


左手に見える大きな建物は国会議事堂(Országház)で、聖イシュトヴァーン大聖堂とともにブダペストで最も高い建物だ。どちらも高さ96m。確かにこうして見ても同じくらいの高さに見える。


片道1,200HUF(約500円)なので、バスの方が運賃が安いのだけど、ドナウ川の向こうのペシュト地区の景色を楽しみながら丘に登れるので、ブダペストを初めて訪れる方にはぜひオススメしたい。
ちなみに夜はライトアップされてまた違ったオトナな雰囲気になるみたい。今度は夜景も見てみたいな。

朝から雲ひとつない快晴だったので、ドナウ川西側のブダ地区にある王宮の丘に行くことにした。


デアーク・フェレンツ広場(Deák Ferenc tér)から16番のバスに乗って、セーチェニ鎖橋( Széchenyi Lánchíd)を渡ろうとしたら、




どういうわけか車両が通行止めになっていたので、結局歩いて渡ることになった。


「セーチェニ鎖橋(Széchenyi Lánchíd)」はドナウ川に架かるブダペスト中心地の4つの橋の中でも最も歴史のある橋で、19世紀半ば橋の建設に尽力したセーチェニ・イシュトヴァーン伯爵の名にちなんで名付けられたとのこと。アイバーチェーンという鎖で力強く吊り上げられている。


橋の始まりでは、2頭の大きなライオン像がお出迎え。




橋の反対側にも2頭いて、合計4頭がしっかりと護衛してくれている。


左側には、遠くにゲッレールト山(Gellért-hegyの頂上にそびえ立つ自由の像(Szabadság-szobor
 



直射日光が暑すぎて何度もめげそうになりそうな中、なんとか橋の反対側まで着いた。



ちょっと気になったのは、橋の至る所にたくさん南京錠がかけられていることだった。恋人たちが橋に南京錠を取り付けて、その鍵を川に投げ入れて永遠の愛を誓うという儀式のようなものが世界中で広がっているのは聞いたことがある。錠前はしっかりと掛けられて、鍵は川底に沈んでいるので誰にも開けることはできない。でも、永遠の愛を誓うことそのものはとっても素敵なことなのだけど、これでは元々美しい橋なのに台無しにしているように見えるし、鍵もどんどん投げ入れられていくのなら、川底の状態も心配だ。
少し前に パリのセーヌ川に架かるボンデザール橋の南京錠の撤去作業が行われたというニュースを見たのを思い出した。橋の欄干にびっしりと南京錠が付けられていて、その重さはなんと45トンにも及んだという。そんなに重い物が常にぶら下がっていたら、そのうち橋が落ちてしまうかもしれない。


この橋の南京錠もこれ以上増えないことを祈っている。
 

初めてブダペストに来た時はウィーンから車で入ったのだけど、今度は逆方向にブダペストから電車でウィーンへ。


ブダペスト東駅(Budapest-Keleti)からウィーン中央駅(Wien Hauptbahnhof)までの所要時間は2時間40分ほど。時間としては新幹線で東京から新大阪に行くのと同じくらいだし、距離としては東京・浜松間と同じくらいなのだけど、運賃が全然違った。駅でチケットを購入したところ、ひとりあたりなんと指定席往復で12,285HUF(約4,600円)だった。片道にすると約2,300円。新幹線だったら東京から小田原にも行けない金額で、隣国まで行けるわけなのだ。




ブダペスト東駅7時40分発のRailjet 60に乗車。ウィーンの後にはリンツやザルツブルグを経て、終点はミュンヘン。最後まで乗ったら、ハンガリー、オーストリア、ドイツの3ヶ国をまわることになる。こういう国際列車って乗っているだけでワクワクするんだよね。

 

2等車と言っても座席は広々としていてとても快適で、まるで「世界の車窓から」の気分。




車内にはFree Wi-Fiも飛んでいるしコンセントも付いているので、車窓からの眺めを見ながらiPhoneでウィーン観光情報を検索していた。これならミュンヘンまでの約7時間だって飽きずに過ごせるかも。


あっという間にウィーン中央駅(Wien Hauptbahnhof)に到着。




ホームの反対側には、なぜか丸太をたくさん積んだ貨車が停まっていた。これからどこに行くのかな?


地下鉄を乗り継いで、シェーンブルン宮殿(Schloss Schönbrunn)へ。
 

IMG_2923
(※館内は写真撮影禁止のため、外観のみ撮影。)


金曜日で平日でも夏休みシーズンだからか、観光客で溢れていた。
今年中にもう一度来る予定があるので、今回は下見気分で一番お手軽な「インペリアル・ツアー(Imperial Tour)」にしたのだけど、やっぱり宮殿内の40部屋にオランジェリーなどの庭園見学も付いた「クラシック・パス(Classic Pass)」がオススメ。


その後は地下鉄でシュテファン大聖堂(Stephansdom)の近くまで行って、軽く食事したりお土産を買ったりして、帰路ブダペストへ。
月に一回はウィーンに行きたいから、一度に欲張らないでちょっとずつ回ることにしているのだ。

ブダペスト行きのトランジットでは、ロシア・モスクワの「シェレメーチエヴォ空港(Sheremetyevo) へ。


トランジットとはいえ、ロシアには初上陸。いつかモスクワやサンクトペテルブルクを訪れてみたいとは思っていたのだが、なかなかその機会はなかった。


しかも、出発の2週間くらい前にアエロフロートのホームページを見た時初めて、ロシア入国にはビザが必要だということを知ったくらいだ。一瞬激しく焦った。もちろん申請なんてしていなかったのだから。


ところが「査証・パスポート検査,出入国・税関規定」のページを見たところ、乗り継ぎでの24時間以内の滞在には「無査証通過(TWOV)」が適用されると知った。24時間以内どころか2時間以内なので全く問題はない。


ビザ無しでロシアにいるという貴重な体験。だったのだが、乗り継ぎ時間が短いため、あまりロシアらしいことはできず、


トイレで見つけた「dyson airblade V」期待を裏切らない乾燥力にちょっとだけ感激してみただけだった。日本語のホームページがあるということは、日本で導入している所もあるってことだよね。



前回はANAに乗って羽田発ミュンヘン経由で飛んだのだけど、今回はハイシーズンでの渡航となるため予算の都合上、片道で所要時間とコスト面で最も妥当と思われたアエロフロート(Aeroflot)に乗って成田発モスクワ経由でブダペストへ。



正直アエロフロートに乗るのは結構不安だったし、最初Eチケットに記載してある経由地のSheremetyevo」 というのもどこだかわからなくて、というか読み方さえわからなかったくらいだったのだけど、ネットでいろんな口コミ読んでも割と評価が高かったので、結局チケット購入に踏み切った。それに片道で54,610円。他の航空会社だったら2〜5倍してしまう。もちろん往復で買った方が安いのだが、次に帰国する日を決めていないので、片道にせざるをえなかった。また、乗り継ぎは1回で済むし、所要時間も短い。
ちなみにSheremetyevo」「シェレメーチエヴォ」と読んで、モスクワにある国際空港のことだと知ったのは、出発直前の話。


もうひとつの不安の種だった預け入れ荷物の重量も、カウンターで計量したところ「22.5kg」と表示され、重量制限の23kgになんとか収まっていた。エコノミークラス以外だったら2個預けられたのだけど、エコノミークラスだったので1個。ま、オーバーしていたらその分手荷物にすればよいだけなのだけど。


ただ、ひとつだけ大きな誤算があった。
出発直前に見たアエロフロートの公式ホームページによると、
とのことなのだ。正確には機内食と一緒にワインが1杯のみ。これまで飛行機に乗ったら飲めるだけ飲んでいたのだけど、到着までガマンするしかない。


なんだかんだで乗り込んで、機内食その1


「fish」を選択した。正解だった。赤ワインの他にビールが飲みたくなるほど美味しかった。おそらくしばらくお預けとなる海の幸を堪能。あと、サラダのドレッシングの味も好みだった。


途中バニラアイスクリームが配られた後、着陸の前に機内食その2


こちらも「fish」を選択した。やっぱり正解だった。「海鮮うどん」ってありそうでなかなかないメニュー。どこかしら懐かしい美味しさだった。


飛行機はモスクワに到着。


ビザ無しでロシアに来れるなんて本当に貴重な体験なのだけど、ロシアっぽいことが何ひとつないままブダペスト行きの搭乗口へ。


乗り換えて、ブダペストに到着。


とにかく無事にここまで来れた。
そして、これからいよいよ新しい生活が始まる。

↑このページのトップヘ