バレンタインデーだということを、すっかり忘れていた。


ハンガリーではバレンタインデーに何をするのか全然知らなかった。毎日のようにスーパーで買い物をしているのだけど、バレンタインだからって特設コーナーがあるわけでもなく、というか普段からチョコレート売場は充実しているのでよくわからなかった。バレンタイン色で埋め尽くされる東京の街と比較すると、さらに実感がない。


とりあえず語学学校には、父親から手渡されたルマンドを持って行くことにした。ちなみに語学学校の今のクラスは先生も生徒も全員女性である。いわゆる「友チョコ」というスタイルってことにした。


で、ハンガリー人の先生にハンガリーのバレンタインデーはどんなものなのか質問したところ、どうやらBálintさんとValentinさんの「名前の日」ではあるけれども、バレンタインデーとしてプレゼントを贈り合うのは、伝統的な習慣というわけではないようだった。もちろん最近では他国の習慣に倣って、男性が女性に花を贈ったり、プレゼントを贈り合ったり、ということをする人々も少なくはないようだった。


拙いハンガリー語で日本の現状を説明したところ、みんな大変興味深そうに聞いてくれた。特に3月14日に「ホワイトデー」が設定されたという話は結構ウケた。


何よりも、ルマンドが大好評だったのが嬉しかった。「日本のお菓子」と聞くと、どうしても伝統的なものばかりが想起されやすいようだが、こうした袋菓子だって「日本のお菓子」なのである。しかもルマンドは既に40年以上の歴史がある。そんなことを話したら(※このあたりは英語)、みんなますます興味を持ってくれていた。


とはいえ、ハンガリー語はおろか英語でさえも中途半端な私の語学力では、正確に伝えられる範囲での事実を伝えるだけで精一杯だった。ハンガリー語にしても英語にしても、もっと詳細な話もできるようにならないとね。