日本とは8時間の時差でブダペストにも2017年がやってきた。


大晦日=シルベステル(Szilveszter)は街中に繰り出す人々の波に逆行しながら早めに帰宅。ゆっくりテレビを観ながら過ごそうとしていたものの、外は花火や爆竹やブブゼラの大音響でなかなか気分が落ち着かなかった。もう少し若かったら間違いなくあの人混みの中に同化していたはずなのだけど、つい腰が重くなってしまうのは年を取った証拠なのか。


東京にいた頃はだいたい大晦日は友人たちと一緒に過ごしていた。東京タワーや横浜みなとみらい、行きつけのお店などに集まって一緒にカウントダウン。その足で近くの神社まで歩いて初詣。帰宅して少し仮眠をしてから正午までに実家の家族と合流し、ランチを食べた後は家族とともに過ごすというのが毎年の恒例となっていた。
ふと思い返せば、例外は私がドイツのライプツィヒに留学していた年と、今年の2回だけだった。


年越しそば代わりに、日本から持ってきたインスタントの天ぷらそばときつねうどんを作り、テレビで放映されている世界各都市の年越しカウントダウンの様子に、東京・渋谷のスクランブル交差点を見て、ちょっとだけ懐かしくなったりもした。


日付が変わった瞬間に外の轟音も最高潮となり、テレビではアーデル・ヤーノシュ(Adér János)大統領の新年の祝賀挨拶。隣にいた手話通訳のモデルのヴェイス・ファンニ(Weisz Fanni)さんと最後にスパークリングワインで乾杯をしているところまで見届けた。


明けて1月1日の朝。最高気温はなんと1℃。少しは外の空気を吸おうと出かけてみたところ、気温はマイナス4℃まで低下していた。景色も全体的に白いし、寒いし、でもいつものブダペストの冬の1日だった。


実家の弟から、今日の家族ランチの写真が送られてきた。久しぶりの私がいないお正月。それなのに、前からずっとそうだったかのように、しっくりして見えた。


私はブダペストで過ごすお正月。まったくお正月らしいことはできなかったけれど、もしかしたらその方がしっくりしているのかもしれない。


※お正月っぽい写真がなかったので、ちょうど1年前の2016年の元旦、電車の中から見えた富士山の写真を掲載。